『ダイヤのA』人気で中国は空前の甲子園ブーム 野球人口急増で「中国版・大谷翔平」が出現する日も近い⁉︎
ネイティブと同レベルの日本語を話す梁は中国出身の両親の下、東京で生まれた。調布リトルシニア、東海大菅生高校と名門を渡り歩いたあと、中国に渡って北京タイガースに入団。同国代表の中心選手としても活躍している。 梁自身、日本野球を熟知するひとりだ。 「僕は小さい頃から野球をやってきて、日本で学んだことを中国の野球に還元できればと思っています。でも日本の野球をマネしようという感じではなく、中国棒球の新しいスタンスというか、新しい雰囲気で世界にもっと推し進められて、それで国際大会勝てたらもっといいなって思います」 中国野球の実情を知る機会はなかなかないが、JWLではNPBの育成選手や社会人選手にも引けを取らない戦いを見せた。 【年々増加している野球人口】 投手陣で最も目立ったのが、左腕の王翔(ワン・シャン)。2023年WBCでは19歳で日本戦に先発した187センチの長身で、同年10月のアジア大会では侍ジャパン社会人代表を5回無失点に抑え、中国代表の勝利に貢献した。 中国の団体スポーツと言えば、サッカーやバスケットボールのイメージが強いが、選手たちはどのようなきっかけで野球を始めたのだろうか。 「それは聞きたいですね。僕は日本で始めたので......(笑)」 梁は「聞いた話」と前置きして、こう続けた。 「男の子はサッカーやバスケをやる子が多いなか、野球のコーチが『運動神経いいな』『この子、足速いな』とか、何かを投げている姿を見て『この子、肩が強い』と引っ張ってくることが多いと聞きました。あとは野球をやらせてみて、バットを振らせたらスイングがきれいというのもあります。じつは今、中国の野球人口は毎年増えているんです。子どもも多いですし、あれだけの人口がいたら、大谷翔平になるような選手が2人くらいいると思いますね(笑)」 14億人以上の人口を抱える中国のポテンシャルは大きく、NPBに加え、MLBからも普及振興を支援されてきた。そうしたなかで中国代表が国際大会で徐々に結果を残し、野球を始める子どもが増えているのでは、と梁は語る。