高密度バッテリーで690km? 改良版 BMW iX 試作車へ試乗 マックス・モードも 実力更に上昇
電動レンジローバーやEX90を見据えた小変更
BMWのバッテリーEVを牽引する役目を負った、SUVのiX。フラッグシップとして、成功といえる結果を導いた。最新技術が満載され、印象的な動力性能と洗練性を両立。装備も充実し、課せられた使命を果たしている。見た目には、賛否両論あるとしても。 【写真】高密度バッテリーで690km 改良版 BMW iX 競合クラスの電動SUVと写真で比較 (154枚) そんなiXは、モデル中期のフェイスリフトを受ける。巨大なキドニーグリルが、フロントノーズに鎮座することは変わらない。今回試乗したのは試作車で、偽装のラッピングが施されていたが、特徴的な2つの多角形があることは明らかだった。 ちなみに、このグリルの奥には、運転支援システムに不可欠なセンサー類が収まっている。パワートレインを冷やすことが目的ではない。 今回BMWが注力したのは、航続距離と動力性能、快適性の向上。ボルボEX90やランドローバー・レンジローバー・エレクトリックなど、間もなく登場するライバルを見据えた改良が目指されている。 電動パワートレインの構成は、前後に励磁同期モーターが載り、フロア下に駆動用バッテリーが敷かれ、基本的に同じ。だが、高効率なシリコンカーバイド半導体を用いた、新しいインバーターが採用された。 具体的な数字は発表されていないが、駆動用バッテリーの寸法は同等ながら、エネルギー密度を高め容量は増大。効率も改善され、電費は約10%良くなり、最高出力も約10%上昇するという。
航続距離は690km程度か 丸いステアリングも
試乗車は、iX xドライブ60を名乗っていたが、これはxドライブ50の後継グレード。性能が増したということで、数字が10増えている。現在M60を名乗る高性能仕様も、改称されると考えられる。 航続距離もまだ未公表だが、xドライブ50が629kmで、ここから10%伸びると考えると、xドライブ60は690km程度になると考えられる。かなりの数字といえ、車重が削られたことも貢献しているはず。 乗り心地や姿勢制御を改善するため、サスペンションは再チューニング。試乗車にはスチールコイルが組まれていたが、エアスプリングも指定できるのは、従来どおりだ。 リアアクスルにはフリクション・オプティマイズド(摩擦最適化)・ハブベアリングを含む、新しいベアリングを採用。純正のタイヤもアップデートされ、転がり抵抗が小さくなった。 正式発表前ということで、ボディと同じくダッシュボードもカモフラージュされていたが、丸いリムのMスポーツ・ステアリングホイールが選べるようになる。これまでは六角形に近い形状だったが、要望に答え、すべてのiXのオプションになるという。 Mスポーツデザインという、パッケージ・オプションも用意される。これには高機能なスポーツシートが含まれ、素晴らしい座り心地なことは確かめられた。