原中ワインで二十歳に乾杯 授業でブドウ栽培
中学校時代に授業でワイン用ブドウを栽培し、ワイン造りに取り組んだ原中学校(長野県原村)の卒業生たちが、3日に行われた原村の二十歳を祝う会で、自分たちが手掛けた「原中ワイン」を味わった。同校の独自教科「原村学」の選択講座「原中ワインをつくろう」でブドウの栽培を行い、完成後二十歳になるまで5年間熟成させたワイン。当時の活動に思いをはせながら、思いの詰まったワインをみんなで味わう喜びを分かち合った。 同講座は2018年から始まり、以降毎年3年の受講生が取り組みを続けている。初年度の受講生15人は、2年時に同校中庭でブドウの栽培を始め、3年時に収穫。現在も同講座の講師を務める小林峰一さんの育てたブドウと合わせて、塩尻市のワイナリーに醸造を依頼し、20本を製造した。ボトルには一人ひとりが思いを込めてデザインしたラベルを貼り、保管して熟成させていた。 二十歳を祝う会では、当時の受講生が集まって講座を担当する平塚広司教諭と当時を振り返った後、講師の一人でシニアソムリエの野村秀也さんがワインを開封。ワインが注がれたグラスを手に、乾杯をしてみんなで味わった。最後に一人ひとりボトルを受け取り、20歳になっていない人は飲める日を心待ちにした。 大学2年の安部桂史郎さんは(20)「すっきりとしていて飲みやすく、自分が造ったからよりおいしく感じた。講座の仲間と一緒に飲むことができて、当時の思い出が鮮明によみがえった」と笑顔を見せた。