【解説】愛子さまが初参列した「斂葬の儀」とは 百合子さまの副葬品は家族の写真・お子様の乳歯・漢字パズルも
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天皇皇后両陛下が百合子さまの墓所を初めて拝礼されました。 皇室の慣例により26日の「斂葬の儀」に参列しなかった両陛下は、三笠宮妃百合子さまの墓所に初めて足を運び、玉ぐしをささげ、拝礼されました。 これに先立ち、午後2時から「一日墓所祭」が行われ、秋篠宮ご夫妻や愛子さま、佳子さまなど皇族方が参列されました。 「斂葬の儀」「一日墓所祭」についてどんな儀式で、どんなしきたりがあるのか、フジテレビ社会部・宮崎千歳記者と見ていきます。 青井実キャスター: まずは両陛下の拝礼の映像を見ていきます。26日午後3時前に両陛下が墓地に到着されました。26日の「斂葬の儀」には、「皇室の慣例」で参列されなかったので、初めての拝礼となりました。「皇室の慣例」とは? フジテレビ社会部・宮崎千歳記者: もともと天皇陛下は、基本的に御所にいらっしゃる存在という伝統的なあり方があり、親しい人が亡くなった場合もお使いを派遣し、気持ちを示されてきました。 今回も両陛下が4回弔問されているように、今の時代は、“非公式な形”で弔問されることはありますが、 葬儀の儀式に関してはお出にならないという、伝統的なあり方が受け継がれています。 青井実キャスター: 一方で、上皇ご夫妻も参拝予定でしたが、美智子さまの足の状況を踏まえてお取りやめになったということですが、16日、三笠宮邸を弔問された時のご様子はどう見ましたか? フジテレビ社会部・宮崎千歳記者: 先月手術を受けられたばかりなのに、もう車椅子を離れて、つえを手にして歩かれていることに、本当に驚いてすばらしい回復ぶりだと思いました。やはりリハビリに熱心に取り組まれているので、つえをついて歩けるようにはなられましたが、まだ、上皇さまに手を添えられたり、支えが必要な状況なんですね。8年前の三笠宮さまの墓所を拝礼された際は、両手で玉ぐしを持つ必要があり、支えが必要な今の状況だと安全面を考えても難しいのではないかと。もう少し回復が進んだら日を改めて、きちんと弔意をお示しになりたいという、強いお気持ちをもっていらっしゃると思います。 青井実キャスター: 愛子さまなども、26日に続いて参拝されました。皇族方の葬儀は百合子さまの夫の三笠宮さまが亡くなられた2016年以来ということで、愛子さま、悠仁さまは初めて、皇室の葬儀に参列されたということですね? フジテレビ社会部・宮崎千歳記者: 愛子さまはご家族の深い悲しみに寄り添いたいということで、深い拝礼で気持ちを示されていました。悠仁さまはまだ高校3年生で、午前中に学校を休んで成年皇族として「斂葬の儀」という大事な儀式に参列されました。まだ学生なので、モーニングではなく黒いスーツに喪章をつけるような形での参列でした。 木村拓也キャスター: 改めて、百合子さまについて説明させていただきます。昭和天皇の弟である三笠宮さまと結婚されました。そして上皇さまの叔母にあたる、「ひげの殿下」として親しまれた三笠宮寬仁さまのお母さまとしても知られております。 青井実キャスター: 記録で確認できる皇族としては、最高齢の101歳でいらっしゃいますけど、どのようなお方ですか? フジテレビ社会部・宮崎千歳記者: 三笠宮さまと75年間連れ添われたんですけども、公務、家庭、研究とあらゆる面で支えられて、本当に仲がむつまじくて、同じお墓にお入りになるというのも、生前のご希望で、それに沿って埋葬されました。 戦争によってお住まいが空襲で全焼し、防空壕で生活されたり、経済的にも苦労をなさっています。お子さまが5人いらっしゃって、その内、男のお子さま3人がいずれも早く亡くなられて、3人の息子に先立たれるという、本当に深い悲しみを経験されても、いつも穏やかに冷静に受け止めて、誰に対しても優しい方で、家族の精神的な柱でいらしたと聞いております。 木村拓也キャスター: 一連の儀式の流れについても見ていきたいと思います。 16日に一般の納棺にあたる「御舟入(おふないり)」というものがありました。24日と25日の2日間にいわゆる「お通夜」がありました。25日は、百合子さまの御霊(みたま)を権舎といわれる部屋にお移しする儀式である「霊代安置の儀」が行われました。そして26日は、本葬にあたる「斂葬の儀」が行われました。 26日の斂葬の儀の様子を見ていきます。遺影や勲章が飾られています。10人の皇族方のほか、百合子さまにゆかりのある人や団体の代表、石破首相や総理経験者、駐日大使など約500人が参列しました。それから喪主を務められた、孫の彬子さまが涙を拭われる姿もありました。 フジテレビ社会部・宮崎千歳記者: 百合子さまのことを彬子さまは尊敬して大切に思われていたので、喪主として気丈に振る舞ってはいらっしゃいましたが、悲しみがあふれだす部分があったのでは。 木村拓也キャスター: 本葬を終えまして、お墓にはご家族の写真のほか、お子さま方の乳歯やお母さまの手縫いの着物、さらに漢字のパズルなどが副葬品として納められました。 フジテレビ社会部・宮崎千歳記者: 知的好奇心がすごく旺盛で、100歳になっても漢字の勉強を続けていらしゃいました。好きだったものをご家族で一つ一つ丁寧に選ばれたのだと思いますし、また、家族思いでいらっしゃったので、5人いらしたお子さまの乳歯を大切に取ってあって、それも一緒にお墓に納められたと。 青井実キャスター: 今後の儀式はどんなスケジュールなのでしょうか? 木村拓也キャスター: 29日に一般拝礼が行われ、亡くなってから30日・50日・100日と、節目ごとに儀式が行われます。 フジテレビ社会部・宮崎千歳記者: 彬子さまは30日間喪に服されます。喪が明けると公務に戻りながら、一方で葬儀に伴う儀式にも続けて望まれていく形になります。
フジテレビ,社会部