「かつてはありふれた家庭の光景だった…」いま最もアクティブな直木賞作家と担当編集が想いを共にすること
四部作になった理由
――そうなんですか!その戦いもぜひ読みたいです。でも、物語もついに東京へ辿り着きました。完結が近づいています。 最初は『天』『地』『人』の三部作で終わるはずが、登場人物の掘り下げが深くなったのと、思った以上に彼らが激しく戦った(笑)。じつは私も島田宿での戦いまでは『人』で完結すると思っていました。でも、箱根まで行ったところで「あれ?終わらない?」と不安がよぎって…。今村さんからも「終わらないかも」と言われた。思い返すと、終わるのか、終わらないのか怖くて私からは聞けなかった…(苦笑)。 ――2025年発売予定の完結巻『イクサガミ 神』ですね。これでついに愁二郎たちの戦いは終わるのですね…。イチ読者としては「まだ続きが読める!」と思ったので、嬉しいですけどね。ただできるだけ早くラストを見届けたいです(笑)。 ありがたいことに、同じようなお声をたくさん頂いています! 今村さんはなにせお忙しいので、新幹線での移動時間や連載の原稿を書き終えた後などのわずかな時間に『イクサガミ』を書いてくださっています。原稿用紙2~3枚でも必ず毎日執筆し、少しずつ送ってくださっているんです。毎年、年末年始も返上して、机に向かってくださっています。ですので、読者の皆さんにも「終わらないのか!」ではなく、どうか「早く続きを読みたい!」という気持ちで『神』の刊行を楽しみに待っていただけると嬉しいです。 ――『イクサガミ』はなんと、主演・プロデューサー・アクションプランナーの岡田准一氏、藤井道人監督という豪華制作陣を迎え、Netflixでのドラマ化が決定しています。これはもう楽しみで仕方がありません。 素晴らしいものになるだろうと、今村さんととても楽しみにしています!私は10代のころ、月曜日から日曜日まで毎日、時代劇を見て過ごしました。ですが、いまは放送もめっきり減ってしまった。今村さんも同じ気持ちだと思うのですが、「時代物」の文化がどんどん無くなっていくのを悲しく思っていました。Netflixでドラマ化されることで、これまで時代劇、時代小説になじみのなかった若い世代にも届くかもしれない。「時代物」の魅力を次の世代に繋いでいく機会をいただき、感謝の気持ちでいっぱいです。 ――待望の第3巻『イクサガミ 人』、そして実写ドラマもどちらも楽しみにしていまます! ありがとうございます!
講談社文庫出版部