【大学野球】東日本国際大が6季連続38度目の優勝…エース藤井優矢 全日本選手権へ向け「チームを優勝に導きたい」
◆春季リーグ南東北大学野球 第5週第1日 東日本国際大3-2石巻専大=延長10回タイブレーク=(11日、ヨークいわきスタジアム) 東日本国際大が石巻専大に延長10回タイブレークの末、3―2でサヨナラ勝ちして6季連続38度目の優勝を決めた。先発したエース・藤井優矢(4年=角館)が7安打を浴びながら2失点と粘って完投し、勝利をたぐり寄せた。3年連続17度目の出場となる全日本大学野球選手権(6月10から16日・神宮、東京ドーム)では、初戦で中国地区代表と対戦する。 *** 東日本国際大のエース・藤井は最後までマウンドを譲らなかった。「最後は気力でした」と延長10回表を3人で締めると、キャッチボールを続けながら仲間に思いを託し、最後は死球の押し出しで勝利をつかんだ。サヨナラが決まると「やっと終わったと思いました」と胸をなで下ろした。 初回にスクイズと押し出しで2点の援護をもらうと、5回まで1四球の無安打投球を披露。しかし打線が5回以降無安打と沈黙し、我慢の展開だった。藤井自身も「優勝が頭にあって力が入ってしまった」と7回は先頭に死球を出すなど乱れて1失点すると、8回も連打を浴びて2―2の同点。それでも9回はこの日最速の145キロをマークすると、10回も先頭の犠打を冷静にさばいて三塁で封殺するなど3人で締め、エースの意地を見せた。藤木豊監督は「よく守ってくれたのが大きかった」とねぎらった。 昨秋は右肩の不調に悩まされてリーグ戦の登板はなかった。肩が上がらずに病院で神経の精密検査まで受けたが、異常なしと診断されて「周りから呪われていると言われた」。それでも4年生の引退後は責任感も芽生え、マウンド間の半分の距離からキャッチボールを始めるなど徐々に感覚を取り戻して1月から本格的復帰。オープン戦で自信をつけると、今春はソフトバンク6位指名の前エース・大山凌(22)から背番号17を引き継ぎ「この背番号に恥じない投球がしたい」とこの日も先発唯一の4年生として躍動し、リーグ単独首位の5勝目をマークした。 昨春の全日本選手権は初戦の仙台大戦(4●8)に3番手で登板し、2回2/3を投げて6安打2失点と苦杯をなめた。苦しみを乗り越えてマウンドに立つ右腕は「自分の力でチームを優勝まで導きたい」と背番号17の誇りを掛けて大舞台でも勝利に貢献する。 (秋元 萌佳)
報知新聞社