強い日差し、穏やかな海… 佳子さま、ギリシャ訪問のご印象全文
ギリシャの歴史や文化に触れるとともに、関係する方々からお話を伺えたことも貴重な経験となりました。「アクロポリス」を見学し、多岐にわたる説明を伺いました。世界史の教科書で見た「パルテノン神殿」の壮大な姿を見上げた際には、約2500年も前の高度な技術に感心するとともに、現在に至るまでの保存修復の多大な努力を感じました。「アクロポリス博物館」では、なめらかな曲線や細部にわたる表現など、彫刻の持つ美しさを間近で鑑賞することができました。また、彫刻に残る顔料も興味深いものでした。その後、同博物館の企画展である写真の展示を見せていただき、船を漕ぐ人や学校で学ぶ子どもたちなどの写真から、撮影当時のギリシャの暮らしを感じました。
1896年に第1回近代オリンピックが開催された場所である「パナシナイコ スタジアム」も見学しました。大理石で作られたスタジアムの特徴や管理、像の由来などについての説明を興味深く伺いました。
世界遺産となっているケルキラ島の旧市街では、市庁舎を訪れ、この島の経てきた歴史について伺いながら、多彩な文化が織り交ざった色とりどりの建物が並ぶ街を歩きました。旧市街で聞こえた楽団の演奏や、島全体に咲いていた色鮮やかな花々、車窓から見えた青緑色のイオニア海とそこに浮かぶ船も印象的でした。
ギリシャのろう者施設や孤児院を訪問し交流できたことも、大切なひとときになりました。
「国立ギリシャろう者施設」では、オンライン手話通訳サービス、きこえない/きこえにくい子どもとその家族に対する早期介入サービス、カウンセリング、手話教室を見学し、また、関係者が特に改善を望んでいることなどについても熱意のあるお話を伺いました。施設の方々が利用者に寄り添いながら、努力を続けていらっしゃることを強く感じました。
ケルキラ島の孤児院では、子どもたちと職員の方々にお会いし、一緒に時間を過ごせたことを嬉しく思いました。子どもたちのことを思い出しながら、1人ひとりが元気で幸せに過ごせることを、心から願っています。