「優秀な部下を異動で手放したくない」→上司の「あるある悩み」をキャリアのプロがバッサリ!
・不動産についてよく勉強してお客さんから信頼を得ているので、不動産鑑定士のような資格にチャレンジして、より高度な取引ができる営業職を目指してはどうか ・プロジェクト・マネジメントの専門性を応用して、わが社の課題を解決するプロジェクトを率いてみてはどうか ・電気系のエンジニアとして実績を上げてきたので、機械系の知識も広げながら、新商品の研究開発に挑戦してみてはどうか ・広報担当としていくつかのトラブル対応を経験し、うまく対処してきたので、その経験をベースにリスク・マネジメントの道に進むのはどうか 自らの強みに磨きをかけて日々の仕事を発展させていくイメージができると、キャリアを考えることが楽しくなるはずだ。 ● マネジャーがすべきこと(5) 人事異動をコーディネートする 強みを活かして成長スピードが上がってきたメンバーがいたら、そろそろ異動を考える時期である。いつまでも自分の担当組織に閉じ込めておいてはいけない。成長に伴走してきたという思いがあるメンバーは手放したくないものだし、確実に業績を上げてくれる計算ができるので重要な人材だが、長すぎる滞在は成長スピードを阻害してしまう。 本人の希望をヒアリングしながら、また本人が考えていない場合でもマネジャーから示唆・打診しながら、次の成長ステージへといざなってあげてほしい。 担当組織だけを考えると、優秀なメンバーを異動させることは業績にマイナスだが、より大きな組織もしくは会社という視点で考えれば、成長を促進する人事異動は中長期的な業績を高めるための手段である。人材を抱え込むのではなく、成長のための最適解を追い求められるマネジャーは、幹部や人事からの信頼が厚くなり、より優秀な人材や将来性がある人材を任せられるようになるだろう。 人事異動は担当マネジャーだけの判断ではできないため、本人の希望やマネジャーとしての意見をベースに、上席の部長と情報を共有して、コーディネーターの役割を果たしたいところだ。
大久保幸夫