「壁だろうがアスファルトだろうが5回10回と頭をぶつけて」元チャットモンチー福岡晃子 4歳息子の発達障害を公表したワケ
「嫌だという気持ちを全力で表現することがあって」と語る元チャットモンチーの福岡晃子さん。悩んだ末、4月に出版された著書で4歳の息子が発達障害であることを公表しました。(全3回中の3回) 【写真】「顔寄せ合って」発達障害を公表した息子さんと福岡晃子さんの幸せな1枚(全17枚)
■突然、知らない人に話しかけるも ── 4歳の息子さんは発達障害のひとつ、自閉症スペクトラムと公表されています。コミュニケーションの取り方が独特だそうですが、自分の意思を伝えることはできますか? 福岡さん:「ジュース飲みたい」「お菓子食べたい」など、短い要望は言えるようになってきましたが、長い文章になると難しいです。私が何か話しかけるときも「今日は保育園で何をしたの?」だと答える範囲が広くなるので、「カエル取った?」と聞くと「取った」、「今日はAちゃんと遊んだ?」「遊んだ」と返ってきて、遊んでなかったら何も返ってこない(笑)。
いっぽうで、たとえばショッピングモールで買い物をしていると突然、知らない人に話しかけることがあります。「これ買った」とおもちゃを唐突に見せて、延々としゃべり続けるんですが、会話が一方通行なのでキャッチボールにならないんです。話しかけられた方も「何歳?」と聞いてくれているのに全部無視。相手の方も「え…?」って思っているかもしれないですけど。 ── ネガティブな感情がうまく伝えられないこともあるそうですね。
福岡さん:以前、言葉がうまく出せなかったときは、壁だろうがアスファルトだろうが5回10回と頭をぶつけて、「嫌だ」という気持ちを全力で表現をしていましたね。療育センターでは定型発達児と一緒に過ごせるよう、椅子に長く座れるようなリハビリもしていましたが、どうしても自分がうまくできないことが多くなると、何度も頭をぶつけているんです。私はその状況になったらムリに辞めさせるのではなく、頭の下に手を引くくらい。ストレスの理由が見つけ出せたら取り除くのですが、毎回わかるわけでもないし。そもそも、療育センターに通う前からときどきやっていたので、ほかの子もみんなやっているものかと思っていましたが、後から症状のひとつだと知りました。