防犯カメラからエアコンまで、購入すると「国・自治体からもらえるお金」 断熱窓への改修で最大200万円を補助する「先進的窓リノベ事業」など
年末は多くの「お金の手続き」が締め切りを迎える。この時期に賢く立ち回ると、家計の収支は大きく改善する。たとえば、国や自治体が用意する期間限定の“申請すればもらえるお金”も見逃してはならない。 【表】住宅・暮らし関連のお金がもらえる助成制度9
手厚いのが「リフォーム補助」だ。国は燃料費の高騰により光熱費が上がっているなか、様々なかたちで省エネ住宅普及のためのキャンペーンを実施している。 ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢氏が語る。 「そのひとつが先進的窓リノベ事業です。エネルギー費用負担の軽減を目指して断熱窓への改修を促すもので、一戸あたり5万円から最大200万円を補助します」 高効率の給湯器導入費用を補助するのは給湯省エネ事業。ヒートポンプ給湯器(エコキュート)は最大13万円、家庭用燃料電池(エネファーム)は最大20万円が補助される。 「先進的窓リノベ事業、給湯省エネ事業とも申請受付は年内いっぱいとされていますが、実際は予算上限に達した時点で終了となります。これから寒くなると申請が増えていく可能性があり、断熱窓への改修や給湯器の買い替えを予定する人は、なるべく早く決断したい」(風呂内氏、以下同) 両事業とも依頼者が直接、国に申請するのではなく、工事請負業者や販売事業者などの事業者を通じて補助金申請を行なうかたちとなる。申請までのタイムラグが生まれかねないので、検討している人はできるだけ早く進めたい。
東京都が実施する東京ゼロエミポイント
国だけでなく、各自治体も様々な補助金を用意する。東京都が実施する東京ゼロエミポイントはエアコン、冷蔵庫、照明器具などをより省エネ性能の高い製品に買い替える際、最大8万円分のポイントが還元・値引きされる。 「今年10月に補助金額が増額されて、ますますお得になりました。大手量販店などが付随して展開するキャンペーンを利用すれば、東京ゼロエミポイントに加えて更なるポイント還元や値引きの恩恵を受けられます。今年10月1日に始まったポイント交付は、予算が消化され次第受付が終了するので、“早いもの勝ち”です」 全国各地で闇バイトによる広域強盗事件が相次いで発生するなか、活用したいのが「防犯」に関連する各助成だ。 「例えば東京都葛飾区では、住宅に対する犯罪を未然に防止するため、防犯カメラや録画機能付きドアホン、防犯ガラスといった防犯設備を設置した区民に対して対象経費の2分の1(上限4万円)を助成しています」 その他にも各自治体には様々な「お得な助成」がある。 「東京都江東区は事業協力店において、一定の基準を満たした自転車用ヘルメットを購入した区民に1個当たり最大2000円を助成しています。また、東京都文京区は世代間の情報格差を解消するため、スマートフォンを購入する65歳以上のシニア世代に最大2万円を給付しています」 当然ながら、助成のために不要な工事や買い物をしては本末転倒だが、その必要性を感じているなら、これほど助けになるものはない。重要なのは、こうした仕組みの多くが、予算がなくなり次第終了するという点だ。年末のラストスパートで得する制度をどこまで活用できるかで、大きな差が出ることになる。 ※週刊ポスト2024年11月29日号