犯罪心理学者も厳選! 冷や汗がヤバい「シリアルキラー映画」6本
【2本目】殺人者とわれわれに違いはあるのか? ★ヨシキさん厳選!!!『ハッピーボイス・キラー』(2014年) 【あらすじ】工場で働く青年ジェリーは、恋心を抱いた同僚の女性との距離を縮めようとするが、デートをすっぽかされたことで殺人事件を起こしてしまう。ジェリーはペットの猫と犬に導かれながら狂気にとらわれていく...... 【おトク値!】Blu-ray&DVD発売中 Blu-ray:2750円(税込) DVD:1980円(税込) 発売元・販売元:ポニーキャニオン (C)2014 SERIAL KILLER, LLC. ALL RIGHTS RESERVED 高橋 僕の1本目は『ハッピーボイス・キラー』。非常に主観的な殺人映画で、彼の目には世界がどのように見えているのか、ということがコメディタッチで描かれています。彼の脳内世界はハッピーな場所で、犬や猫が話しかけてくるし、冷蔵庫に入れてある殺した相手の生首もニコニコと話しかけてきたりします。 しかし1ヵ所ゾッとするところがあって、彼が住んでいる小ぎれいな家が、現実ではとんでもなく不潔なゴミ屋敷だとわかる場面が一瞬あるんですよ。しかし、その「現実」を彼は認めず、強引にねじ伏せて物語が終わります。 人はそれぞれ自分の現実を生きているので、この主人公と自分たちには本質的な違いはないんじゃないかと思います。自分が構築したファンタジー世界をみんな生きているんだ、ということをシニカルに描いていて、頭を殴られたような衝撃を受けました。エンディングも最高で文字どおりハッピーな気分になれますよ! 桐生 今のお話を聞いて面白いと思ったのが首ですね。最近では札幌市で首だけ切って持っていった事件がありましたが、1997年の神戸連続児童殺傷事件でも、酒鬼薔薇聖斗は被害者の首を切って持ち帰り、家の中で会話していたんです。「あんまりおしゃべりすぎるから中学校の正門前に置いた」と言うんですね。 私が科学捜査研究所で関与した殺人事件でも、畑に埋められた死体に首がなかったことがありました。加害者いわく、殺した後、夢枕に被害者が毎晩立つので、遺体を掘り起こして首を切って、自宅の敷地内に埋め直したら、立たなくなったということでした。殺人者にとっての首は、何か特別な存在なんでしょうね。