社員が「適応障害」になったとき企業が取るべき対応や復帰のサポート【専門医解説】
自分の置かれた環境にうまく馴染めず、出社拒否などに至ることもある適応障害。そんな社員に対し、企業はどのようなサポートができるのでしょうか? 職場の対応や復帰のサポートについて、ペディ汐留こころとからだのクリニックの岩谷先生に教えてもらいました。 【イラスト解説】「自律神経失調症」と「うつ病」の違い
適応障害とは?
編集部: 適応障害とはどのような病気ですか? 岩谷先生: 確認できるストレス要因に反応して、3ヶ月以内に情動面または行動面で症状が出現する疾患のことを、適応障害といいます。 編集部: もう少し具体的に教えてください。 岩谷先生: 企業における適応障害として多く見られるのは、異動や転勤など、新しい環境になったとき、その状況や出来事にうまく慣れることができず、さまざまな精神症状を引き起こすというものです。 リーダー的立場になるなど、責任ある仕事を任された途端に行き詰ってしまう、あるいは「自分は周りよりも能力が劣っているのではないか」ということばかり気にしてしまう、自己肯定感が持てない、というのもよくあるケースです。 編集部: どのような症状が見られるのですか? 岩谷先生: 症状はさまざまで、抑うつ、不安、無気力、思考力や集中力の欠如、絶望感、イライラなどが見られることがあります。身体症状としては、全身倦怠感や不眠、動悸、めまい、頭痛などが見られることがあります。 編集部: 放置するとどうなるのですか? 岩谷先生: 症状を放置するとうつ病や不安障害などの症状が見られたり、攻撃的な行動になって周りに影響を与えたりすることがあります。そのため、おかしいなと感じたら早めに受診することが必要です。 編集部: どんな症状が見られたら受診したら良いのでしょうか? 岩谷先生: 先述のような抑うつ、不眠などの精神症状や全身倦怠感、不眠、動悸などの身体症状が2週間程度続いたら受診することをお勧めします。