韓国軍の統帥権、国防省「大統領にある」…与党代表が尹大統領に半年以内の退陣求める報道
【ソウル=依田和彩】保守系与党「国民の力」の韓東勲(ハンドンフン)代表は8日午前、ソウルの党本部で韓悳洙(ハンドクス)首相と共に記者会見を開き、尹錫悦(ユンソンニョル)大統領は今後、「外交を含め国政に関与しない」と強調した。
韓代表は韓首相と週1回以上会合を持ち、経済、外交、国防などの懸案について協議するとも明らかにした。韓首相は「与党と知恵を集め、全ての国家機能を安定的かつ円滑に運営する」と話した。MBCテレビは8日、韓代表が尹大統領の6か月以内の退陣を求める方針だと報じた。
尹大統領が7日午前、「今後の政局を安定させる方法は我々の党に一任する」とする談話を発表したことを受けたもの。左派系最大野党「共に民主党」の李在明(イジェミョン)代表は8日、「何の根拠で与党代表と首相が国政を行うというのか」と非難した。野党は14日に再び尹氏の弾劾(だんがい)訴追案の採決を行う方針。
韓代表の方針については尹大統領に近い与党議員からも「党内の議論が必要だ」(尹相現(ユンサンヒョン)議員)といった反発が出ている。
韓国国防省の報道官は、9日午前の記者会見で韓国軍の統帥権は現在「大統領にある」と説明した。
朝鮮日報などによると尹大統領は4日、韓代表や秋慶鎬(チュギョンホ)院内代表らと面会し、戒厳令を宣布したのは「共に民主党が乱発する弾劾暴挙を防ぐため」「私は間違ったことはない」と話した。