老齢年金受給世帯の約6割が「年金以外の収入源」あり。70歳代のリアルな「年金額と生活費」をチェック
【70歳代】厚生年金の平均年金月額「みんな、ひと月いくらもらえているのか」
厚生労働省年金局が公表する「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」から、いまの年金世代が受けとる公的年金の平均年金月額を確認します。 それぞれ「受給権者全体」と「70歳代(70歳~79歳)限定」で見ていきます。まずは厚生年金から。 ●厚生年金の平均年金月額《受給権者全体》 〈全体〉平均受給額(月額):14万3973円 ・〈男性〉平均受給額(月額):16万3875円 ・〈女性〉平均受給額(月額):10万4878円 ※国民年金部分を含む ●厚生年金の平均年金月額《70歳代のみ》 ・70歳:厚生年金14万1350円 ・71歳:厚生年金14万212円 ・72歳:厚生年金14万2013円 ・73歳:厚生年金14万5203円 ・74歳:厚生年金14万4865円 ・75歳:厚生年金14万4523円 ・76歳:厚生年金14万4407円 ・77歳:厚生年金14万6518円 ・78歳:厚生年金14万7166円 ・79歳:厚生年金14万8877円 厚生年金の「受給権者全体」の平均年金月額は14万3973円。70歳代の各年齢の平均年金月額はいずれも14万円台となっており、受給権者全体の平均月額とほぼ同じ水準です。 ただし、実際の受給額には大きな個人差がある点には注意が必要となります。現役時代の「厚生年金加入期間」と「収入」が、老後の年金額に直結しているからです。 厚生年金に加入していた場合でも、その期間が短い人などは、想定外の低年金となるケースもあります。将来のねんきん見込み額は年金加入状況とともに把握しておきましょう。「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」の活用をお勧めします。 では、国民年金のみを受け取る場合はどうでしょう。次で詳しく見ていきます。
【70歳代】国民年金の平均年金月額「みんな、ひと月いくらもらえているのか」
同様に、国民年金のみを受けとる場合についても見ていきます。 ●国民年金の平均年金月額《受給権者全体》 〈全体〉平均受給額(月額):5万6316円 ・〈男性〉平均受給額(月額):5万8798円 ・〈女性〉平均受給額(月額):5万4426円 ●国民年金の平均受給額(70歳代限定・月額) ・70歳:国民年金5万7320円 ・71歳:国民年金5万7294円 ・72歳:国民年金5万7092円 ・73歳:国民年金5万6945円 ・74歳:国民年金5万6852円 ・75歳:国民年金5万6659円 ・76歳:国民年金5万6453円 ・77歳:国民年金5万6017円 ・78歳:国民年金5万5981円 ・79歳:国民年金5万5652円 ●平均的な「夫婦2人分」の年金収入 上記の厚生年金・国民年金の平均年金月額受給額をもとに、平均的な「夫婦2人分」の年金収入を計算してみましょう。 厚生年金、国民年金ともに、男女それぞれの平均月額を受け取ることを前提にして計算すると、次のように整理できます。 ・夫:厚生年金&妻:厚生年金=月額約27万円 ・夫:厚生年金&妻:国民年金=月額約22万円 ・夫:国民年金&妻:厚生年金=月額約16万円 ・夫:国民年金&妻:国民年金=月額約11万円 現役時代に夫婦ともに厚生年金に加入して働き、二人とも平均的な年金額を受け取ることができた場合、夫婦の年金は月額約27万円。 ここから税金や社会保険料の天引きが発生し発生することを考えると、公的年金だけでゆとりある暮らしができる世帯は決して多数派ではないと言えそうです。 セカンドライフは、医療費、介護費用、自宅のバリアフリーリフォームなど、現役世代にはピンと来ない大きな出費に直面する人も増える時期。人によってはお子さんの住宅資金や、お孫さんの教育費などを援助してあげたいと考える人もいるでしょう。 そこでカギとなるのが、貯蓄、勤労収入、不労所得など、年金生活を支える柱となる「資金源」。そして何より、収入と支出のバランスを考えた家計管理でしょう。 次では、総務省の「家計調査」から、標準的なシニア夫婦世帯のひと月の家計収支に関するデータを確認。ご自身の老後の生活費はどの程度必要になりそうかも、イメージしていただければと思います。