マツダのロータリーエンジンがEREVの最適解かも知れない理由。次世代スポーツカーに期待大
2ローターEREVで北米のニーズを満たしスポーツカー復権も目指す
MX-30 ロータリーEVには、次の一手がある。それがモアパワーを求める北米市場のニーズに応える2ローター化だ。その先には新たなスポーツカーへの搭載も見込む。これについては米Automotive Newsに掲載されたマツダの毛籠勝弘CEOの単独インタビュー記事(12月4日付)が興味深い。 毛籠CEOは、「より多くの電力を生成し、とくにパワーへの渇望が強い北米市場のニーズに応えていく」と2ローター式EREVが開発中であることを認めている。さらに、2023年10月にジャパンモビリティショーで公開されコンセプトカー「アイコニックSP(ICONIC SP)」についても、「(発売時期は未定ながら)実現に向けて一歩一歩進めている」とコメントしている。アイコニックSPに関しては、すでにデザイン本部長の中山雅氏もその実現可能性に言及しており、マツダの「未来へのコミットメント」を象徴する電動スポーツカーとして実現すべく奮闘しているのは間違いなさそうだ。 まだ正式な開発プログラムとして承認されていないことが伺えるものの、2024年2月にはパワートレイン開発本部パワートレイン技術開発部のRE(ロータリーエンジン)開発グループを再結成して、新しい時代に適合したREの研究・開発をさらに強化。REを発電機用として継続的に進化させ、主要市場での規制対応やカーボンニュートラル燃料対応などの進化をすすめている。 昨今の中国メーカー勢は欧州の関税対策からPHEV、なかでもEREVの開発に力を入れている。また韓国のヒョンデやキアも欧米市場を重視して新たなEREVの開発を発表している。そんな状況下において独自技術で攻勢をかけようとしているマツダ。かつてはスポーツエンジンとして知られたREが、新たな時代の電動化を支えるコアユニットとして本格的な復活を遂げる日が近そうだ。