新型コロナmRNAワクチン3回目接種、高齢者でも免疫応答活性化
京都大学の米谷耕平助教、濵﨑洋子教授らは23日、米ラホヤ研究所などと共同で新型コロナウイルス感染症に対するメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンの3回目接種による免疫応答を調べ、65歳以上の高齢者でも免疫応答は活性化され、抗体応答を担う記憶B細胞の応答も効率よく誘導され65歳未満の成人と同等の抗体を産生できることを確かめたと発表した。一方で高齢者は成人に比べ、細胞性免疫に関わる記憶T細胞の活性化が低いことも分かった。 成果は免疫システムの老化の理解につながり、高齢者により効果的なワクチンや治療法の開発に役立つと期待される。 今回、新型コロナウイルス感染症のmRNAワクチンの3回目接種をした人を対象に、免疫記憶応答の年齢差を調べた。その結果、ウイルス感染細胞を殺傷する細胞傷害性T細胞(キラーT細胞)は3回目のワクチン接種で増加するが、高齢者は成人に比べ少ない値となった。抗体をつくるB細胞応答については、高齢者は初回接種後、成人に比べ弱いものの、3回目接種を受けることで大幅に改善し、成人と同程度のレベルになった。高齢者では細胞性免疫をより効率的に活性化することが今後の課題と考えられるとしている。