海外メディアは五輪連覇王者、羽生敗戦と宇野V4を“番狂わせ“と報道「過酷な日程、疲労が羽生を襲う」
フィギュアスケートの全日本選手権、男子フリーが22日、東京の代々木第一体育館で行われ、非公認の世界最高得点でSPトップだった羽生結弦(25、ANA)は、まさかのミスを連発、282.77点までにしか伸ばせず、SP2位だった宇野昌磨(22、トヨタ自動車)は、4回転ジャンプを3本決めるなど、計290.57点で逆転し4連覇を果たした。 海外メディアは、五輪2連覇の羽生が宇野に敗れたニュースを速報で伝えた。 米のNBCスポーツは「羽生が全日本選手権で宇野に番狂わせの敗北」との見出しを取った。そして「羽生が、ここ8年間の全日本選手権で初めての敗北を喫し、宇野に次ぐ銀メダルに終わった。羽生は、故障に悩まされたシーズンが続き、2015年を最後に全日本選手権に出場していなかった。4年ぶりの出場となった今大会では、SPで宇野から5.01点をリードしていたが、フリーではトリプルアクセルの転倒を含めて複数のジャンプミスがあった」と報じた。 同記事は、4連覇した宇野と、羽生の全日本選手権での対戦は初で、「この5年間で、ネイサン・チェン、ハビエル・フェルナンデス、パトリック・チャン以外で羽生に勝利した初めてのスケート選手となった」と紹介。羽生と宇野の2人が来年3月にモントリオールで行われる世界選手権の代表に選ばれ、「2連覇中のチェンと並ぶメダル候補になる」と伝えた。 五輪スポーツを扱う専門サイトの「オリンピック・チャンネル」は「宇野が4年連続で全日本選手権のタイトルを勝ち取り、両選手は、世界選手権の出場資格を得た。宇野は羽生の国内大会への華々しい復帰を許さなかった」と伝えた。 「宇野は今季のベストパフォーマンスで羽生を破った。五輪連覇の羽生は、金曜日のSPで日本記録を作ってトップに立ち、タイトル獲得の最有力候補だったが、フリーでの疲れを見せた演技により282.77点で2位に終わった」と続けた。 記事は、ここ8年の全日本の優勝者が「羽生、羽生、羽生、羽生、宇野、宇野、宇野、宇野」となったことを取り上げ、「宇野は、2本の綺麗な着氷を含む4回転ジャンプを3本跳び、完璧な演技とは言えなかったが、計り知れない自信を蘇えらせることができた」と評価。 一方の羽生については、「疲労が羽生を襲う」と敗因を分析。 「故障や病気が日本のロックスタースケート選手(の羽生)の過去3度の全日本選手権出場を阻んできた。今大会は羽生にとって今月で3試合目となり、過酷な日程が、敗因のひとつになった。羽生は最初の4回転ルッツで着氷が乱れ、綺麗に着氷できたのは2本目の4回転サルコーだけだった。序盤のミスが、彼の演技からエネルギーを奪い取り、彼の普段の正確性に影響を及ぼした」と分析した。 そして「2020年に待ち受ける大きなチャレンジ(世界選手権)へ向け、休息と回復が羽生陣営にとって最重要事項となるだろう」と指摘した。