ジェンダー平等が気候変動対策を進める!? 「エコ・ジェンダー・ギャップ」とは
環境問題に向けられる関心や、また環境問題から受ける問題に「ジェンダー差」があることはご存じでしょうか? 【写真】金額も規模も桁違い!チャリティ活動に熱心なセレブ12人 ここではMedia is Hopeの名取由佳さんが「エコ・ジェンダー・ギャップ」について解説。「女性/男性/その他の性はこうだ」と決めるつけるのではなく、環境問題への関心や影響にジェンダー差がある現状に着目して、環境問題の意識を高めるためにより多くの人がともに手をとりあっていくためにできることを一緒に考えます。 ▼名取由佳 1990年東京生まれ。大学卒業後夢だったエンターテイメント企業に就職するも気候変動や社会課題に対する危機感が強まり2019年より気候変動解決に向けた新たな価値の創出や社会システムの構築に向けて奮闘中。2021年よりMedia is Hopeを立ち上げ、主に対外的なコミュニケーション、ブランディング戦略を担当。
エコジェンダーギャップとは
環境問題に関心を抱くことや、環境問題によって影響を受けやすい人の間には、ジェンダー間で格差が存在しています。そしてこの差が「エコ・ジェンダー・ギャップ」とよばれています。 この言葉はジェンダーによって環境問題への興味関心の高さに違いがある現状や、企業によるマーケティング商法が女性向けに偏っているというジェンダ―差に気がつくことになった<MINTEL>によるイギリスで行われた調査で使われました。 この調査を引用した<GUARDIAN>は、以下のような社会の傾向を指摘し、サステナビリティについて語るときの無意識の偏見を除いていくべきだと示しています。 ・家事労働を多くしている女性が家庭内でのサステナビリティの“担当者”になっている(ゴミを仕分けることなど) ・環境に優しいとされる製品やサービスは“女性向け”と打ち出されていることが多い 記事では「女性(と割り当てられた人)が生まれつきケアに長けているのか、習得しているかにかかわらず、“女性らしさ”と“環境保護”が男女ともに認知的に結びついていると示すエビデンスが多くある」と言及。「そんなことないだろうと思われるかもしれないが、これが男性のアクションを妨げる一因になっている」と続けました。 日本では、プラスチックごみ問題や生物多様性、動物愛護をテーマに内閣府が実施した世論調査「環境問題に関する世論調査」で関心度のジェンダーギャップが指摘されています。この調査では女性と回答している人の方が環境問題に関する関心が高かったほか、マイバッグやマイボトルを持ち歩くといった具体的な取り組みを実施しているという結果が出ています。 KDDI research atelierが2021年に公表した調査によると、「カーボンニュートラル」や「パリ協定」といったキーワードについての内容を知っていると答えたのは、どの世代でも男性の割合が高かったそう。しかし環境問題に配慮して日常で行動をしていると答えた人は、すべての世代で女性の割合が高かったという結果がでています。