ロゴの背景は壁!? メーカーの個性あふれるバルーン探索記【TGS2024】
「ブースのメーカーロゴは見ても天井を見ている人はなかなかいないのではないだろうか?」──。そんな思いで、2023年から始めたバルーン探索。東京ゲームショウ(TGS)では毎年、各メーカーを象徴するさまざまなバルーンが掲げられているが、2024年はどうか。23年と違いはあるのか。気になったので、全会場を探索してみた。するとハッとする気付きがあったので、共有したい。 【関連画像】本物の月を借りてきたような出来栄えで、見れば見るほど月そのもののようだ まずは、展示ホール1~3から。ホール1にバルーンは見当たらなかったが、突如として「月」が目に入ってきた。ホール2にブースを構えているTHQ Nordicのもののようだ。 23年にバルーン探索をして初めて分かったことだが、形状の7割近くが四角形。しかし、THQ Nordicは円形かつ、まるで本物の月と見まがうほどのできで思わず息をのんだ。よく見てみると、月のクレーターまでしっかり印刷されており、360度同じプリントは1つとしてないように見える。 近くにいたスタッフさんになぜ月なのかを聞いてみたところ、「秘密が多いので詳しいことは言えないが、『REANIMAL』というホラーアドベンチャーゲームの中で象徴的なものだから」とのこと。どうやら、月の演出が多いようだ。どんなゲームなのか気になってしまったので、時間があったら試遊してみたい。 はす向かいには「鳴潮」という文字が。中国のメーカー、KURO GAMESが手掛ける『鳴潮』に登場するキャラクターとゲームタイトルのロゴが描かれていた。 さらに目を引くのが、「ドラクエ」のスライム! 言わずもがな、ホール3のスクウェア・エニックスブースのバルーンだ。特殊な形状なので、特注しているのだろうか。遠目からでもとにかく目立つ、ホール1~3のシンボルだ。 ●ただの白背景じゃない! 粋すぎるGooglePlay 続いては、大手ブースが軒を連ねるホール4~6だ。ホール4にはバルーンはなく、ホール5のバンダイナムコで見つけた。去年は丸と四角形の間くらいのふっくらした形状だった気がするが、24年は四角形寄り。よく見ると巨大な悟空もバルーンだった。 ホール6では、XDとGooglePlayブースの上に、四角形のバルーンが掲げてあった。XDはシンプルな企業ロゴ。遠目からGoogle Playも23年と同じかな……と思いながら近づいたら、まるで違っていた。 なんか、グレーのラインが入ってる……!? よく見ると、白地に、グレーの色をした長方形のブロックのようなものが描かれているのだ。なんだろう? とまじまじと見つめて3秒。もしや、ダイヤモンド城では!? 24年のGoogle Playはオリジナルゲーム『ダイヤモンド城』を模したドット絵調の空間になっており、まるでゲームの中の世界に入り込んだようなブースとなっている。この壁が白地にグレーのタイルになっているのだ。ぱっと見はアプリロゴと見せかけて、実はアプリロゴの雰囲気を損なわずバルーンとブースの世界観を合わせるなぞ、なんて粋なんだ、Google Play。 ●どう見ても犬だったのに犬じゃなかった 最後は、ホール7、8。まず目に入ってきたのが、ホール7にブースを構えるポケットペア。『パルワールド』に登場するキャラクターの絵が四角形バルーンの四面に描かれていた。 また、その下には竜の形をした大きな2体のバルーンが。調べてみたところ、「オコチョ」という名前のキャラクターらしい。ピンクの子と寄り添っていてかわいい。仲良しなんだね。 その奥には、コーエーテクモゲームスのバルーンがあった。23年と同じかもしれないが、こちらのバルーンはGoogle PlayやXDと比べると二回りくらい大きい。 さらに奥へと歩いていくと、ドット絵で描かれた犬のバルーンが目についた。なんで犬? でもめっちゃかわいい! 四方を見てみるとそれぞれの面で顔の絵柄が異なっており、こだわりが感じられる。こちらは、ブース8にある中国系の企業Hotta Studioのバルーンだ。 近くにいた長身のイケメン男性スタッフに「なんで犬なんですか?」と聞いたところ、申し訳なさそうな顔をして「犬じゃないです、カワウソです」と言われる筆者。「え、カワウソ!?」 よくよく見てみると、毛色はグレーだしグラデーションになっている上に、耳も丸い。そうか、カワウソ……。確かにそうかもしれん。カワウソなのに「犬」と決めつけて強気な聞き方をしてしまって恥ずかしい……。 このカワウソはゲーム内に登場するキャラクターで、テレビ画面に映っている様子とのこと。ゲームをプレーできていないため、カワウソが本当に出てくるのか確認はできないが、イケメンが言うならそうなんだろう。 去年と比較して、ちょっとデザインが変わっていたところ、去年は出していたのに今年はバルーンを打ち上げていなかったところなど、さまざまな企業があって面白かった。絵柄の意味や意図を推察してみるのもすごく楽しかったので、皆さんもゲームだけでなくバルーンにもぜひ目を向けて見てみてほしい。 (文/吉成 早紀、写真/志田 彩香) なお、日経クロストレンドでは「東京ゲームショウ2024特設サイト」を公開中です。ぜひ、ご覧ください。 ・日経クロストレンド「東京ゲームショウ2024特設サイト」 https://xtrend.nikkei.com/sp/tgs/
吉成 早紀