“ママべったり”だった5歳の女の子が変化したワケ 子どもを輝かせる“特別な舞台”が開演 仕掛け人は有名劇団出身の俳優たち
それから3年余りがたち、和日子ちゃんはおねえちゃんの年齢を超える5歳になりました。お母さんも「無事に長女の年齢を超すかと思うと感慨深い」と話します。 ですが、ワークショップが始まっても、和日子ちゃんはお母さんに抱っこされたまま離れようとしません。
そこで、心魂プロジェクトの寺田さんが「自分たちも一緒にパフォーマンスをしよう」と提案。人前で表現することに慣れていない和日子ちゃんの心情を察したのです。いろんな状況の子と接してきた経験を生かし、子どもに合わせて寄り添います。 心魂プロジェクト 寺田真実さん: 「見られることよりも、自分が見ることにベクトルを移す必要があるなと思ったので、徐々に変えていきました」
さっそく功を奏したのか、ついに和日子ちゃんが動き出しました。見よう見まねで手足を動かします。でも、表情はかたいまま…。果たして本番は、笑顔を見せてくれるでしょうか?
いよいよ本番! 自分の足でステージへ…
こうして迎えた本番当日。会場に到着すると、プロジェクトのメンバーたちが和日子ちゃんの気持ちを盛り上げようと明るく接しますが、お父さんに抱きついて顔を隠してしまいました。
それから30分後、いよいよ開演の時間。 心魂プロジェクトの有永さんが「今日一緒に力になってくれる人がいませんでした?」とステージ上から呼びかけると、なんと和日子ちゃんは自らお父さんの膝から降りて、ステージへ向かいました。お客さんではなく、出演者として舞台に上がります。
ソーラン節を堂々と踊りきると、最後はかっこよくポーズを決めました!
無事に踊りきり、和日子ちゃんに笑顔が浮かびます。
この達成感こそが、プロジェクトの狙いだといいます。 心魂プロジェクト 有永美奈子さん: 「緊張するんですよ、出るって。その緊張する時間を過ごすのがゴールデンタイムだよ。何か自信になったり、何かヒントになったりしてくれる」 人前で表現する楽しさを、ミュージカルを通して感じることができたようです。こうした取り組みが全国に広がれば、難しい状況に置かれた子どもたちもいろんな経験ができるかもしれません。