はやぶさ2が小惑星に到着 JAXAが会見(全文1)リュウグウは非常に暗い小惑星
(杉田氏)理学の研究者の力の見せどころがここから始まる
杉田:カメラの観測の理学の責任者を務めております杉田と申します。よろしくお願いします。今日まさにホームポジションに着いて、本格的な科学探査、観測が始まるわけですけども、すでにプレスのほうの記者発表で出ているように非常に面白い画像が撮れていまして、われわれが到着したリュウグウという星が大変興味深い星であるということまでは、もうすでに分かっていると言っていいかと思います。 ただあとはそれで問題は、あとはタッチダウンをして、ここに採りにいくぞという決断をするまでに、渡邊さんから説明があったようにもうベストの情報を得て、それで臨みたいということで、理学の研究者の力の見せどころがここから始まるかなということで、楽しみにしてるということです。よろしくお願いします。 司会:杉田先生はこのあとの予定がございまして、17時までの記者会見の参加となります。ご了承ください。それでは引き続きまして、スライドを使って説明をさせていただきます。
到着に際して、取得できたデータ、観測の最新の状況について
津田:それでは到着に際しまして、いろいろ取得できたデータですとか観測の最新の状況をお伝えしたいと思います。何枚かスライドを用意してまして、最初、私がお話ししますけれども、途中からバトンタッチしていこうと思います。じゃあ2ページ目をお願いします。 まずこれは今日の朝9時35分、到着したあと、運用メンバーで撮った写真です。すぐそこの隣の建物にあります管制室になります。今日はこの管制室だけで40名ぐらいの人がおりましたが、このバックルーム、別の場所にも人が入っておりまして、到着の瞬間を見守りました。普段は、巡航中は最低だと数人、3人ぐらいから運用できる体制を取っているんですが、今日はさすがに私たち「はやぶさ2」プロジェクトにとっては非常に歴史的な瞬間ですので、たくさんのメンバーが入りました。それでなくても小惑星到着というところは、20キロメートルという非常に、宇宙のスケールに対してはすごく小さい距離、正確に小惑星に横付けしなければいけないということで慎重な運用を続けてましたので、普段からたくさんの人数で、この1カ月間はやってまいりましたけど、今日はそれが集結した状態になっております。次のページへお願いします。 到着をわれわれが何で判断したかというのをご紹介したいと思います。到着の条件は3つございます。1つは小惑星上空20キロメートルに到着したこと。それからそこで高度を維持できていること。高度を維持できていることっていうのは、具体的には小惑星に対する相対速度をホバリング状態、ほぼ浮上している状態にできることということです。その状態で探査機が正常であることというのが3番目になります。これは一番最後に確認した到着時の速度です。速度というのは電波のドップラー、ドップラーシフトというもので見ますが、それまで0が目標速度なんですけども、目標速度よりも上の速度でずっと降下していたものが、この0時51分と出ているのは地上での確認時間です。実際はこれから光の速さ分差し引いて、9時35分にこの速度変化があったということになりますが、地上では0時51分にこの速度のドロップが見えております。これがちょうど0のところにいっていますが目標速度に到達したということで、ホバリング状態に移ったということを判断しております。これを基に小惑星到着を判断し、「はやぶさ2」プロジェクトは小惑星近傍運用フェーズというフェーズに移行しました。次のページをお願いします。