日本vsシリア 試合前日の森保一監督会見要旨
11日の北中米W杯アジア2次予選でシリア代表と対戦する日本代表の森保一監督が10日、試合会場のエディオンピースウイング広島で公式会見を行った。 【写真】日向坂46メンバーがサポ姿で現地観戦「可愛すぎて二度見した」「美しさで溢れてる」 以下、森保一監督の会見要旨 ●森保一監督 「明日のシリア戦はすでにW杯2次予選突破を決めている状況だが、これまでどおり目の前の一戦に勝つということ、そして最終予選、その先に向けてチームの積み上げができるようにチャレンジしたい。チーム一丸となって全力を尽くして戦いたい。皆さんに勝利をお届けして、勝利を分かち合えるように頑張りたい」 ―ミャンマー戦では3バックをスタートから試したが、明日も3バックを引き続き試すのか。また先発は入れ替えるのか。 「戦術的なところで言うと、3バックは明日のシリア戦でもチームとしての共有をより図れるように、戦術の浸透度を上げていけるようにトライしたい。もう一つ、ミャンマー戦からは選手を大幅に入れ替えて戦いたいと」 ―6月11日が北中米W杯の開幕2年前になるが、ここまでのチーム作りの手応えは。 「2026年北中米W杯まで2年間ということで、もちろん大きな目標の部分ではあるが、目の前の一戦一戦、目の前のハードルを乗り越えていかなければW杯の舞台もない。大きな目標、そして我々がやらなければいけない、たどり着きたいところを考えながらも目の前の一戦一戦をしっかり戦っていきたい。現在地としては皆さんの評価にお任せしたい。ただ確実に一歩一歩前進できているし、積み上げができていると思う。勝つ確率を上げるためにということでいろんなことにトライしたい」 ―ケガがちな選手が何人かいるが、使わない場合は9月の最終予選まで日が開くので難しい判断になると思う。起用をどのように判断したいか。 「ケガがちな選手とは誰ですか?」 ―久保建英と長友佑都。 「まずはこの代表活動でプレーできるという判断のもと、彼らを招集させてもらっている。可能であればプレーしてもらいたい。ただ予定と現実は違う場合がある。いまトレーニングには復帰しているが、最終的に今日のトレーニングをした後、もう一度メディカルと話をして、怪我のリスクがあるようであれば無理をすべきではない。プレーしてもらうかどうかは判断していきたい。次の9月の活動までは時間が空くので、もちろん他の選手と合わせてもらう、チーム戦術の中で合わせてもらうところはやっていきたいが、怪我をしてしまって、その怪我が尾を引いて、自チームでの活動、今後の選手のキャリアに響くようなことはあってはいけない。怪我の状態を見ていくことを最優先したい」 ―守田英正がミャンマー戦の前日に3バックを提案したというが、選手の意見を採用するか、しないかの判断基準は。 「判断基準はチームが勝つためにということを第一に考えるとともに、選手がどれだけ思い切ってプレーできるか、チームとして積み上げの中でどういうチャレンジができるかを考えている」 ―エディオンピースウイング広島で初の代表戦だが、どのように考えているか。 「エディオンピースウイング広島の建設、広島でのサッカー専用スタジアム建設に向けてその思いを持っている一人としての活動はさせていただいたが、サッカーだけでなく広島の方々の多くの方々の思いでこの新スタジアムができたと思っている。ここで試合をするということは私にとって、現役生活を長く過ごして、指導者としてもお世話になって、人としてもいろんな成長をさせてもらった土地であるので広島で試合ができることは非常にうれしく思っている。ここで試合をする意義としてはいくつかあるが、私自身大きく思っていることは“まちなかサッカースタジアム”ということをこの広島から全国の皆さんに見ていただき、そして我々がいいプレーをすることで、ピッチとスタジアムが一体となって一体感を持ってエキサイティングな空間を作れるということがサッカーやスポーツの魅力として感じていただいて、街に潤いをもたらすもの、街の宝となるものをサッカー関係者だけでなく、いろんな全国の方々に認識していただいて、素晴らしいものが全国にできればなと思っている。我々はサッカーだが、スポーツが社会貢献できる一つの大きなものとして考えてもらえるように明日の試合を戦いたい。もう一つ、サッカーはグローバルスポーツであり、クラブ単位でもACL等々の国際試合もあるし、日本各地のみなさんはもちろん、世界のみなさんにもこの広島に足を運んでもらえたらと思う。広島は世界に2つしかない原爆被爆地であるという土地だし、現在も世界で戦争や紛争が多く起こる中、悲しい思い大変な思いをしている方がいっぱいいることは現実として起こっている。尊い命を大切にする、平穏に穏やかに暮らせる平和を考えていただけるということでも、ここ広島で試合があって、エディオンピースウイング広島の近くに平和公園、原爆ドームがある中、平和のことを考えるきっかけになってくれたらうれしい」 ―堂安律はクラブでもウイングバックでプレーしているが、彼を起用する可能性はあるか。また彼を起用する場合はどのような効果を期待しているか。 「3-4-2-1のシステムにした場合、律にはシャドーのポジションとウイングバックのポジションでプレーすることは考えている。ミャンマー戦でシャドーのポジションでプレーしてもらったので、明日の試合でウイングバックでも起用できれば、チームとして戦術の幅を広げられるように試したい。効果は攻撃の部分でより彼の良さを活かしてもらうことと、彼がフライブルクでウイングバックでもプレーしていて、攻守ともに献身的に走ってゴール前で得点に絡む、守備でもゴール前に戻って相手の攻撃を防ぐことをやってくれている。彼のように攻撃に特長があり、得点に絡める選手はより日本がアジアで確実に勝つために、世界で勝っていくために、上手い選手がハードワークして、攻守共にチームに貢献するところを期待したいし、こんなうまい選手がこんなハードワークするんだということを将来プロや日本代表を目指す少年、少女に見てもらえたらと思う」 ―左サイドでは前田大然もハードワークできる選手だが、どのように考えているか。 「同じことです。彼らの特徴は攻撃に特徴がある選手たち、得点に絡める選手たちだと思うが、その選手が長い距離を走って、攻撃に絡む、守備に貢献する部分は期待したいと思うし、先ほどサッカー少年、少女、日本の宝でもある子供たちの目標になってもらいたいということを話したが、日本代表がアジアでより確実に勝てるように、世界で勝てるように、W杯で優勝できるようにという意味で、全員攻守という部分は現段階では絶対的に必要だと思っている。そういった意味でも、少年少女だけでなく、日本代表を目指している選手にもうまい選手がこれだけ走るんだ、これだけ戦うんだということを彼らに示してもらえたら嬉しい」 ―攻撃を意識した3バックを試しているが、その反面、守備では背後のスペースを3人あるいは2人で守らないといけない。CBの個の能力や人数がいるから3バックを試せているという側面もあるが、このチームのCBに期待する役割は。 「日本人のサッカー選手が世界の舞台で非常に多く戦っていて、ポジションの部分ではこれまで2列目の選手がより多くヨーロッパの舞台で戦っているということを私自身感じていたが、ただDFラインの選手がヨーロッパや世界の舞台で力を見せてくれているということをいま感じている。まさにDFラインの選手たちが力を見せている選手たちが多くなっているので、3バックの対応をしながら守備を安定させて、カバーしないといけないプレーエリアは広がるかもしれないが、そこをカバーしながら攻撃にも移っていけるということを具現化できるのを選手たちが見せてくれていて、そのチャレンジができていると思う。もちろん直近のミャンマー戦は勝たなければいけない相手だったが、それでも攻撃の部分で意識を持ちつつも、守備の意識を忘れず、いいバランスで無失点に抑えて、攻撃の圧力を増していこうというところにトライしてくれた。3バック、4バックと違いはあるように思えるが、試合中は4バック気味になったりというところは選手たちが試合の状況で、自分たちがより仕掛けている時と受け身になる部分を試合の中で可変しながらバランスをコントロールしてくれる。形として3バック、4バックはトレーニングの中で限定的にやるが、必ず変えてやる時と、試合中に受け身であれ、攻撃的であれ、我々主体で可変していけるようにはしたいと思っている。DFラインの選手たちに非常に力を見せてくれている選手が多くなっているので、より安定した守備から攻撃に移っていくという意味で具現化してくれる選手がいるという意味でトライさせてもらっている」