阪神・掛布SEAが「31」後継マルテについてメディアへ異例要望「そっとしておいてやってよ」
阪神の掛布雅之オーナー付シニア・エグゼクティブ・アドバイザー(SEA)が9日、沖縄宜野座キャンプを視察に訪れ、背番号「31」の後継者である新外国人のジェフリー・マルテ(27)に「笑って終われば31番も喜ぶ」とエールを送り、メディアに対して「そっとしておいてあげて」と異例の要望を出した。 昼過ぎに球場入りしたため対面は今日10日に持ち越しとなったが、マルテが出場を志願した11日の紅白戦も視察予定。ここ数年、阪神の野手の新外国人は不発続きだけにキャンプ、オープン戦で、どう日本の野球に対応するかが課題となる。
「そっとしておいてあげて!」
どうもタイミングが悪かった。4番に一発を求めるなら、パワー不足と、関係者をヤキモキさせていたが、この日はランチ特打でオーバーフェンスを連発して、その度にスタンドから拍手が起きた。3連発、2連発があった。「振れば飛ぶ」を証明したが、背番号「31」の大先輩である“ミスタータイガース”の球場入りは、そのアーチショーの後。新旧「31」の対面も、そのバッティングを直接チェックすることもできなかった。掛布SEAはテレビでの映像は見ているが「明日見ます」と、新外国人の評価を口にすることはしなかった。 「今の段階でどうのこうのと、いい悪いを言うほうが変。実戦にならないとわからない。向こう(メジャー時代)で、そういう形で打っているわけだから、実戦に入ってからどう対応するか?じゃないですか。(キャンプではよくて結果の出なかった)昨年のロサリオみたいなこともある。今の段階で、ああじゃない、こうじゃないは言えないよね」 掛布SEAは言葉を選んだ。 マット・マートンが退団して以来、ここ数年、阪神の新外国人野手は期待を裏切り続けている。昨年、ウィリン・ロサリオは、75試合、打率.242、8本、40打点と結果を出せず、2017年はエリック・キャンベルが21試合、打率.191、1本、5打点、2016年はマット・ヘイグが31試合、打率.231、2本、11打点と低迷した。 掛布SEAは、DC、2軍監督時代を通じて、4番候補として来日しながら、結果を出すことができず、2軍に落とされてきた新外国人をフォローしてきた。 キャンベルが、「将来、指導者になる上で、私はあなたに大事なことを教えてもらった」と、退団時に当時の掛布2軍監督に高級ウイスキーを持ってきたこともある。そういう外国人野手の苦悩を見てきているだけに、この段階で評価を下そうとする筆者を含めたメディアにも釘をさした。 「阪神、巨人は特殊な環境にあるからね。あなた方の責任も大きいよ。そっとしておいてやってあげてよ」 異例の要望だ。