阪神・掛布SEAが「31」後継マルテについてメディアへ異例要望「そっとしておいてやってよ」
今回、マルテは「1がついている番号が欲しかった」と熱望して“ミスタータイガース”の象徴の背番号「31」をつけることになった。「31」は、球団サイドが掛布SEAに「掛布氏が譲りたいと認める後継者が出てくるまでつけさせないでおく」と約束していた“半永久欠番”だったため、球団関係者が、事前に、その承諾を掛布SEAに取っているが、その際、こんな心配を口にしていたという。 「彼にとって背番号がプレッシャーにならないか。そこだけが心配。大丈夫?」 4番候補として期待されている新外国人は打てなければバッシングの標的となる。阪神、巨人の助っ人には、特に風当たりが強い。それらの報道はプレッシャーにもなり、新外国人が成功し辛い土壌にもなる。 「最下位になった年だから厳しい見方をされるんだろうが」 だからこそ、メディアに異例の要望を出して暖かいエールを送る。 「外国人の31番? (僕の前に)カークランドが31をつけていたからね。彼がつけたいと言ってつけた。(背番号31は)グラウンドで躍動するほうがいい。シーズンが終わって笑顔であってもらいたい。打線に左打者が多いので、右のマルテが4番を打てるのが一番いいんだろうが、ここからの結果次第。シーズンを笑って終えられれば31番も喜ぶ。去年のロサリオみたいになると悲しいからね」 マルテは11日に行われる紅白戦に「出るよ」と出場を直訴した。その模様をテレビのゲストとして現地解説する掛布SEAは「楽しみにしています」という。 日本の投手の変化球の揺さぶりに、どう対応するかが、外国人野手が、日本で成功するための永遠のテーマ。現段階では、変化球に適応するために重要なタイミングの取り方に“間”が見えず不安点は残る。だが、開幕してみないとわからないのが、新外国人であり、首脳陣に我慢して使う覚悟があるのか、どうかも大きなキーワード。 掛布SEAのエールは、チームの切実な願いを代弁しているものなのかもしれない。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)