いかわたを墨袋とともに凍らせるだけで贅沢すぎる酒肴が完成。「いかわたルイベの黒造り風」
これまたレシピによっては、塩をふってしばらく置き、よく水気をふいてから凍らせるという工程が書いてあるものもありますが、僕の場合は、塩をまぶしたら即冷凍庫へ。なにしろ簡単だし、それでもいつも、ちゃんと美味しいので。 このとき、身から肝だけを取り外すのではなく、あえて身っぽい部分も少し残しつつ一緒に凍らせることで、仕上がりの味や食感が楽しくなります。 アニサキスの問題もありますから、冷凍期間は念のため、最低2日は設けましょう。2日後の状態がこんな感じ。
しっかりと凍ってますが、包丁を入れてみると、スッと刃が入り、気持ちよくスライスできます。
通常、墨を外して作ったたルイベであればこれで完成なのですが、今回は黒造り風。てきとうな器に入れ、箸などでわーっとかき混ぜてやりましょう。すると墨が全体をコーティングし、真っ黒な見た目に。
そうしたら器に盛りつければ、完成!
肝はねっとりとろりとし、塩辛っぽい旨味が濃厚。ただし新鮮なものをすぐにさばいて冷凍しているので、くさみなどはまったくなく、むしろ爽やかさを感じるくらい。
あえて残した身っぽい部分はこりこりぷりぷり。普通の刺身とは違う塩辛っぽい旨味が、当然日本酒などに合いすぎます。そんでもって、やっぱりきちんと、墨の旨味が全体に行き渡っている気がする。通常のルイベより、なんだか深みがあるような気がする。 あらためて、こんなに簡単、かつ短時間で、こんなにも幽玄な味わいの珍味っぽいおつまみができてしまうなんて、いかって奇跡ですね。作らないのはもったいない! しかもおまけとして(いつの間にか僕のなかでおまけと本体が入れ替わってますが)、いかの身まで食べられてしまうんだから、お得な食材にもほどがあります。スーパーで新鮮そうないかを見かけたら、ぜひ積極的に買ってみましょう。 ■作りかた ■【材料】 ・いかの肝、墨袋:1杯ぶん ・塩:全体が覆えるくらいの量 ※すべての分量は目安です。お好みで調整してください。 ■【作りかた】 1.生のいかをさばき、肝、墨袋、その周りの身少々に、たっぷりと塩をふる。 2.冷凍庫で2日間凍らせる。 3.スライスして全体をよく混ぜる。 ■ パリッコ ぱりっこ 1978年東京生まれ。酒場ライター、漫画家/イラストレーター、DJ/トラックメイカー、他。酒好きが高じ、2000年代後半より酒と酒場に関する記事の執筆を始める。著書に『酒場っ子』『つつまし酒』『天国酒場』など。
パリッコ
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