宮城で犠牲者へ祈り、復興誓う 台風19号5年で追悼式
2019年に東日本を縦断し、13都県で120人近い死者・行方不明者が出た台風19号(東日本台風)は12日、上陸から5年となった。宮城、福島両県では2世帯7人が今なお仮設住宅で暮らす。11人が亡くなり1人が行方不明となった宮城県丸森町は追悼式を開き、災害からの復興と教訓継承を誓った。 式では遺族や町関係者ら約80人が黙とう。保科郷雄町長は「記憶を後世につなぎ、安全安心な暮らしができる町を目指す」と式辞を述べた。親族3人を亡くし、妹の行方が分からないままの天野民子さん(73)は式典後、実家の跡地に建てた碑を訪問。「草が生い茂って妹を捜すことができなくなってしまった」と話した。 台風19号は19年10月12日夜、静岡県の伊豆半島に上陸。各地で土砂災害や河川氾濫による浸水被害が相次いだ。各自治体によると、災害関連死を含め116人が死亡。宮城、茨城両県で3人が行方不明となっている。 丸森町では被災者の自宅再建や災害公営住宅への入居が進み、今年4月までに仮設住宅の入居者が全員退去した。