【プレビュー】ポゼッションの新潟とハイプレスの広島。上回り勝利をつかむのはどちらだ| Jリーグ
【国内サッカー プレビュー】明治安田J1リーグは5月3日にかけて第11節が開催。デンカビッグスワンではアルビレックス新潟とサンフレッチェ広島が対戦する。
勝点12で14位のアルビレックス新潟と勝点18で3位のサンフレッチェ広島がデンカビッグスワンスタジアムで顔を合わせる。新潟は松橋力蔵監督が、広島はミヒャエル・スキッベ監督が就任してそれぞれ今季で3年目。自分たちのスタイルを貫く両者が真っ向からぶつかり合う。 ホームの新潟は開幕から10試合を終え、3勝3分け4敗とわずかに負け越し。4月に入ってからの5試合では1勝1分け3敗と大きく黒星が先行してしまった。特に前節・FC東京戦は今季最多の3失点を奪われ敗戦。前半はポゼッションで上回る時間を多く作りながらもカウンター一発に沈むと、後半は主導権ごと相手に奪われ失点を重ねた。 そのFC東京戦に象徴されるように、新潟のポゼッション力はJ1リーグでもトップクラスであり、簡単にボールを奪われないのは大きな強み。松橋監督体制となって3シーズン目で確実にチームスタイルに馴染んでいる。ただ、今季ここまではその高い支配率がゴールにつながっていない。複数得点を挙げた試合はわずか2試合で、直近5試合では3ゴールに終始。得点数の少なさが、勝点が伸び悩んでいる原因の一つとして考えられる。 いわきFCからの新加入ながらボランチのレギュラーに定着しつつある宮本英治と秋山裕紀のダブルボランチを中心に、自分たちから意図的にボールを動かしながら、いかにゴールに結び付けられるかがカギとなる。今節の相手である広島の前線からのアグレッシブな守備はリーグ屈指の圧力を誇る。そのプレスに食われるのではなく、そのプレスをはがし、勝機を手繰り寄せたい。 アウェイの広島は、J1で唯一、開幕から無敗を継続中。10試合を終え、首位・セレッソ大阪と2位・町田ゼルビアとも勝点1差であり、スキッベ監督体制3年目で悲願のリーグ優勝へ向け、いい位置に付けている。 ただ、現在は3試合連続引き分け中であり、落としている勝点もある。第8節・アビスパ福岡戦と第9節・北海道コンサドーレ札幌戦では先制を許し、前節・川崎フロンターレ戦では先制こそするも、一時は逆転を許すなど、ゲーム運びでも少し緩さが見られる。 それでも、どんなゲームでも勝点をつかんで終えているところに広島の強さがあるわけで、チームとしての完成度や習熟度はどの相手にも引けを取らないどころか上回っている。特に全試合で先発を続け、ボランチとシャドーの位置でチームのスイッチ役を担う満田誠は代えの利かない存在。パスワークに長ける新潟と対峙する今節こそ、背番号11のパフォーマンスが勝敗を左右する。 新潟がはがすか、広島がのみ込むか。ゴールデンウイークに相応しい熱戦を期待したい。