KLM、機内食ロスAIで削減 出発20分前まで予測、余剰減へ
KLMオランダ航空(KLM/KL)は、搭載する機内食数をAI(人工知能)で調整するシステムを導入している。同社では予約したものの搭乗しない「ノーショー」が3-5%程度生じており、機内食の製造・搭載数をAIで予測することで食品ロスの削減につなげている。 【写真】製造が進むKLMの機内食 機内食数を予測するAI「TRAYS」は、蓄積されたデータに基づき出発17日前からビジネス、プレミアムエコノミー、エコノミーの各クラスごとに搭乗者数を予測。KLMの機内食システム「MOBS」と共有する。予測は出発20分前まで継続し、余剰が出ない搭載数を決定する。 TRAYSは2023年後半に導入。3カ月経過後のデータ分析では、食品ロスを導入前から約63%削減できることを実証したという。導入により改善が最も進んだのは、アムステルダム・スキポール発の長距離国際線で、1便あたり2.5食分(1.3キロ相当)の廃棄削減につながった。スキポール空港で用意する機内食の重量に換算すると、年間で約111トンのロス削減に相当する。 KLMは機内食のほか、各部門でAIの導入を進めている。メンテナンスでは保守点検計画や部品管理などの運用に、運航管理部門では天候予測に基づいた運航計画などに活用。このほか、旅客の旅行ニーズに最適な情報提供にもつなげている。
Yusuke KOHASE