0.000秒台まで完全一致の衝撃! ラッセル、フェルスタッペン退け2度目のPP獲得。契約発表の角田裕毅8番手|F1カナダGP予選
ジル・ビルヌーブ・サーキットを舞台に開催されているF1第9戦カナダGP。予選セッションではメルセデスのジョージ・ラッセルがポールポジションを獲得した。この予選を前に2025年もRBに残留することが発表された角田裕毅は、8番手だった。 【動画】角田裕毅、2025年RB残留決定に喜びのコメント カナダGPの週末は、今年も天候が不安定な状況が続き、初日の2回のフリー走行は雨混じりのセッションに。2日目の昼に行なわれたフリー走行3回目は完全なドライのセッションとなったものの、予選スタート時点ではサーキット付近で雨雲が発達しているという状況だった。 ■角田裕毅、2番手通過で好調さ見せつける|予選Q1 雨の接近を警戒してか、18分間の予選Q1が開始されると、各ドライバーが続々とコースへ入った。31度という路面温度もあり、タイヤのグリップを高めるべく2周のウォーミングアップを行なうドライバーもいた。 最初のタイム計測を各車が終えた時点で首位に立ったのはラッセル。続くアタックでマクラーレンのランド・ノリスやレッドブルのマックス・フェルスタッペンらに上回られるも、ラッセルは5周目に1分13秒242を記録して再びタイムシートのトップに立った。その他のドライバーも軒並み、連続アタックでタイムを改善していった。 残り6分を切ると、多くのドライバーが2セット目の新品タイヤを投入。路面の改善も大きいか、多くのドライバーが2セット目のタイヤでタイムを更新し、上位の顔ぶれも目まぐるしく変わっていった。 メルセデスのルイス・ハミルトンが1分12秒851を記録してFP3に続いてトップで通過するかと思われたが、最終盤にレッドブルのマックス・フェルスタッペンがタイムを改善。1分12秒360でQ1トップ通過を果たした。 2番手でQ1を通過したのは角田。フェルスタッペンから0.388秒とその差は大きいが、契約発表直後のセッションから今季の勢いを見せつけた。 一方でレッドブルのセルジオ・ペレスは、Q2進出まで0.037秒届かずQ1敗退。こちらもレッドブルとの契約延長が決まったばかりだが、チームメイトのフェルスタッペンや姉妹チームの角田とは対象的な結果となった。 なおペレス以下、キック・ザウバーのバルテリ・ボッタス、アルピーヌ放出が決まったエステバン・オコン、ハースのニコ・ヒュルケンベルグ、今週末は既に2度クラッシュと流れのないキック・ザウバーの周冠宇が脱落となった。 ■フェラーリが衝撃のダブルノックアウト|予選Q2 15分間の予選Q2も、雨のリスクを考えてか、各車は早め早めの動き。ファストレーンにマシンを並べ、ピット出口がグリーンになると同時にコースへ飛び出して行った。 ただQ2がスタートするのと同時に、パラパラとコース上に雨粒が落ちはじめた。すぐさまタイム計測へ移ったドライバーの中ではピアストリが速さを見せ、1分12秒462でトップに立つも、そのタイムをラッセルが2回目のアタックで0.139秒上回った。 上位勢の多くは最初から新品のソフトタイヤを投入していたが、中団グループのドライバーなどの多くはユーズドを使用。残り8分を切ると一度ピットへ戻り、新品タイヤへと履き替えた。 ノリスはここでユーズドを履いて1分12秒201をマーク。ラッセルを一時的に上回ったが、メルセデス勢が2セット目のソフトタイヤを武器にラッセルが1分11秒742を記録してQ2を首位で終えた。ハミルトンも0.237秒差の2番手で通過し、メルセデスが1-2となった。 結果、角田は4番手でQ3進出。チームメイトのダニエル・リカルドもフェルスタッペンのひとつ後ろ8番手でQ2を突破した。 一方でフェラーリの2台は11~12番手と、衝撃のQ2脱落。前戦モナコGP優勝から一変して中団グループに飲み込まれる形となった。 なおフェラーリ勢の他、ウイリアムズのローガン・サージェント、ハースのケビン・マグヌッセン、アルピーヌのピエール・ガスリーもここで姿を消した。 ■0.000秒台まで同タイムの激戦|予選Q3 ポールポジションを決める予選Q3。どんよりとした雲はなんとか雨粒を落とすのを堪えているという空模様だった。 12分間のカウントダウンがスタートするとメルセデスを除く8台がコースイン。フェルスタッペンは1分12秒358でまずはトップに立ったが、遅れてコースに入ったラッセルが1分12秒000でフェルスタッペンを上回った。ハミルトンもそれに続く2番手につけ、ここでもメルセデスが1-2体制を築いた。 RBはユーズドタイヤでも2周のウォーミングアップでタイム計測。角田は1分13秒368で8番手に並んだ。各車は1回目のアタックでユーズドを使用し、ピットへ戻っていった。 最初に新品ソフトタイヤを投入したのはマクラーレン勢だったが、それでもラッセルがユーズドタイヤで記録したタイムには届かず。フェルスタッペンがラッセルと同タイムの1分12秒000をマークするも、先にタイムを出していたラッセルの記録が優先。その他のドライバーもこのタイムを上回ることはできず、ラッセルがキャリア2度目のポールポジションを獲得した。 予選で0.000秒台まで変わらない同タイムを叩き出したフロントロウ2台の後ろ3番手には、0.021秒差でノリス。ピアストリが4番手と、マクラーレンが決勝2列目に並ぶこととなった。 5番手にはリカルド。最後の最後でアストンマーティンのフェルナンド・アロンソやハミルトンらを上回ってみせた。 角田は1分12秒414で8番手。Q2から大きくタイムを改善するには至らなかったが、来季の契約が決まった週末に4戦連続でのQ3進出を果たした。 角田の後ろには、今回が母国戦となるアストンマーティンのランス・ストロール、ウイリアムズのアレクサンダー・アルボンが続いた。ポールポジションのラッセルから、10番手アルボンまでのタイム差は0.796秒と非常に接近した予選となった。
滑川 寛