「逆風を忠岡町で止めた」大阪首長選、維新の久々勝利に 党勢挽回にはなお課題
20日投開票の忠岡町長選では、地域政党「大阪維新の会」公認の現職、杉原健士氏(63)が新人候補2人を破り再選を決めた。維新は今年に入って大阪の首長選で敗北を続けており、久々の勝利は27日投開票の衆院選に弾みをつける好材料となった。21日に取材に応じた杉原氏は、維新への逆風を「忠岡町で止めた」などと選挙結果を総括したが、得票は前回選の7割ほど。党勢挽回の上では課題も残る選挙結果といえそうだ。 国政政党「日本維新の会」は、令和3年の前回衆院選で候補を擁立した府内15小選挙区すべてで勝利し党勢を拡大したが、今年に入って府内の首長選で維新候補が逆風にさらされた。 4月の大東市長選で公認の新人が落選。6月の河内長野市長選は不戦敗。8月の箕面市長選では平成22年の結党以来初めて、公認の現職首長が苦杯をなめた。 維新は「刷新プロジェクトチーム」を立ち上げ、府民約千人を対象にアンケートを実施。議員の活動の量や質の低下が浮き彫りとなり、党創設者の橋下徹氏や松井一郎氏が現役だったころと比べて「悪い方に変わった」との質問に同意する回答は5割を超えた。またパワハラなどの疑惑が文書で告発され、その後失職した兵庫県の斎藤元彦前知事に、令和3年の知事選で推薦を出し、問題発覚後の対応が後手に回ったことも非難された。 厳しい戦いを強いられた杉原氏は、再選後の取材に「維新へのアゲンスト(逆風)を感じながらの戦いで、プレッシャーはあったが忠岡町で止めた。手綱は締めていきたい」と話す。 維新幹部は「最大の目的は果たした」としつつ、前回選よりも得票を減らしたことなどは厳しい結果と受け止めており、衆院選に向けて「陣営の気を引き締めたい」と話していた。 ホームページによると、町は大阪湾沿いに位置し、9月末時点での人口は1万6380人で面積は3・97平方キロメートル。