【台湾】頼総統、立法院に「正義尊重」呼びかけ
台湾の頼清徳総統は26日、立法院(国会)で審議が続く国会改革法案を巡り、「民主主義の象徴である国会は手続き上の正義を尊重し、かつ民衆の権益を守るべきだ」と述べた。同法案への抗議活動が展開される中、頼氏の発言に注目が集まっている。 頼氏は「台湾の民主主義は多くの犠牲と貢献の結果」とした上で、「国会は第一線に立って民主主義を守るべきだ」と強調。国会改革法案を巡る抗議活動については「台湾各地の民衆が自主的に動き、市民団体が理性的に声を上げ、若者が力を発揮している。これら全てが台湾の民主主義の価値だ」と評価。「総統として、立法院の全ての議事過程を順守する立法委員(国会議員)を肯定し、勇敢に立ち上がって民主主義を守る全ての人に感謝する責任がある」と述べた。 台湾行政院(内閣)の卓栄泰院長(首相)は27日「市民が明日集結する必要がないよう、立法院が善意で応えることを望む」とコメント。「人民を再び苦労させないため対処に努める」と述べた。 国会改革法案は最大野党の国民党と第2野党の台湾民衆党が提出。「議会侮辱罪」「議会調査権」「総統の国政報告」などの議題を含み、与党の民主進歩党(民進党)が反発していた。立法院の周辺では21日と24日に同法案の再審査などを求める抗議活動が行われ、主催者発表で21日に3万人超、24日に10万人超の市民が集まった。同法案の審議は28日に続けられる見通しで、抗議活動も同日に行われる予定だ。 抗議活動の主催側は「国民党と民衆党は28日に第三読会の通過(可決・成立)を強行しようとしている」とした上で、市民に「立法院に集まり第三読会の通過を阻止しよう」と呼びかけている。