惨めでした…一流大卒でも「手取り月28万円」、就活失敗の影響引きずる37歳サラリーマン。同窓会で「さりげにリア充自慢」の大企業勤務のエリート同級生に覚える虚無感
突き付けられる「大企業エリートサラリーマン」との格差
都内の有名一流私大を卒業している後藤さんですが、第1志望の大企業の内定は叶わず。内定が出たのは、志望業種ではなく、ただ誰もが知っている会社だからという理由で応募した大企業と、志望業種だけど規模の小さな中小企業。 ――友人らは絶対大企業といっていましたが、自分は「やりたいこと」にこだわりました 自分で決めたことなので後悔はなし。3年前には結婚し、第1子も誕生。順風満帆な人生だと思っていた……と過去形で話すのは、先日、大学時代の飲み会が行われ、参加したから。 ――お世話になった教授が今年の春に退官になったので、そのお祝いも兼ねて久々に集まろうということになったのですが…… 集まったのは大学の同級生、15名ほどと、退官した(元)教授。そのなかには定期的に会う友人もいましたが、多くが卒業以来に会うような仲。そのため、当時を振り返るとともに、現況を報告し合うという場になったといいます。 ――最初からすごい会社に就職したやつらもいましたが、自分と同じように就活に失敗して、なんやら知らない会社に就職した人も多かったんですけど。リーマン・ショックのあと、結構早く景気よくなったじゃないですか。アベノミクス……それでみんな転職に成功したらしく、なんやら知らない会社で働き続けているのは、自分だけでした 聞こえてくるのは華やかな私生活。後藤さん、マイホームを検討する際、本当は通勤の便もいい都内がよかったのですが高すぎて買うことはできず、最終的に都心から電車で1時間半の郊外に購入。片や他の同級生の多くは23区内、なかには「都心のタワマン」と、噂でしか聞いたことがないような場所に住んでいる人も。
平均年収で200万円の格差…他人と比較してしまう自分がいる
――給与の話も聞こえてきて。コンサルで働いているやつなんて、月収が3桁とかいっているし。自分は月35万円ほど。3分の1以下ですよ。本当、あの場では空気でいるしかなかったですね 厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』によると、従業員10~99人の中小企業における大卒サラリーマンの平均給与は、月収で34.09万円、賞与も含めた年収は528.92万円。後藤さんは平均値を若干上回る程度の給与水準だと考えられます。 一方で従業員1,000人以上の大企業だと、月収が41.45万円、年収が753.49万円。平均月収で7万円強、年収で220万円強の差が生じています。 最初から大企業に就職を決めた同級生や、景気がよくなったのを察知してすぐに大企業への就職を成功させた同級生。彼らと比べて、何も行動を起こさなかった自分とは、驚くほどの格差が生じている事実を突きつけられた後藤さん。 ――もちろんお金がすべてではありません。自分は今、幸せですし。でも正直な話をすると、他人と比べて嫉妬している自分がいる……そんな自分をイヤだなと思いますが、どうすることもできません [参考資料] 株式会社RECCOO『就職活動に関するアンケート調査』 厚生労働省・文部科学省『大学等卒業予定者の就職内定状況調査』 厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』