マンUのダービー戦勝利は“新時代の幕開け”に繋がる重要な1勝。アモリム新監督が示したアカデミー偏重からの脱却、宿敵を封じた柔軟な戦術【コラム】
ラッシュフォードとガルナチョがメンバー外に
現地12月15日に行われたマンチェスターダービーで、ルベン・アモリム率いるマンチェスター・ユナイテッドはマンチェスター・シティに敵地で2−1の勝利を収めた。 【画像】“世界一美しいフットボーラー”に認定されたクロアチア女子代表FW、マルコビッチの厳選ショット 赤い悪魔は新監督が就任してからわずか1か月程度ということもあり、組織として未熟な状態であるのに対して、昨季のリーグ王者も10戦7敗と絶不調。不安要素が抱えた両チームで行われたダービーは、アウェイチームが印象的な勝利を収めたと言えるのではないだろうか。今回の勝利はただの1勝ではない。新時代の幕開けに繋がる大きな1勝だ。 まず印象的な出来事は試合前に起こった。マーカス・ラッシュフォードとアレハンドロ・ガルナチョがスタメンどころか、ベンチメンバーにも入っていなかったのだ。 マンチェスター・ユナイテッドの指揮官は、この決断に関して、英メディア『スカイスポーツ』でのインタビューで、「トレーニングや試合でのパフォーマンス、チームメイトとの関わりなど、あらゆる面を評価しようとしている」と答えている。この言葉の通り、ラッシュフォードに関しては、この言葉通り、純粋にパフォーマンスが原因だろう。ただガルナチョに関してはどうだろう。真相は不明だが、素行面に関するいくつかの憶測はある。 いずれにしてもアカデミーの選手たちが、大一番でベンチ外となったのだ。1937年10月30日以降、4000試合以上も連続でアカデミーの選手を起用し続けている記録を持つマンチェスター・ユナイテッドというクラブにとって、これは大きな意味を持つ決断だった。ちなみに、スタメンには一人もアカデミー出身の選手がいなかったため、もしコビー・メイヌーが途中出場を果たさなければ、それこそ歴史的な大事件になっていた。 最終的にクラブとしての誇りは維持されることになったものの、このような歴史的背景を持つクラブにとって、ダービーでアカデミー卒のスター選手がベンチ外になった意味は大きい。クラブとして重要視していることが、39歳の若手監督とともに、変容し始めている。 筆者の意見を述べると、クラブ文化をリスペクトしているとはいえ、これまでの起用法がアカデミー偏重過ぎたと思う。マーカス・ラッシュフォードをスタメンから外すべき試合は過去何度もあった。そういう意味では、「歴史の尊重」と「新時代への適応」という難しい葛藤の中で、大きな一歩を踏み出したと言えるだろう。 そんな大きな決断を下した試合を、勝利で終えた意味合いも非常に大きい。
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