「今、壁にぶち当たっています」横浜FCに新天地を求めた福森晃斗のこだわり。ずっと自分に言い聞かせてきた――試合には出なければいけない
憲剛、大久保、稲本、小野。そして俊輔
現状打破が、新天地を求めた理由の1つだったかもしれない。 12月29日、北海道コンサドーレ札幌から福森晃斗の横浜FCへの期限付き移籍加入が発表された。その数日前に、福森は元日本代表の岩本輝雄氏が手がける『左利きの会』のイベントに参加していた。 【PHOTO】サポーターが創り出す圧巻の光景で選手を後押し!Jリーグコレオグラフィー特集! フリートークの場面で、「壁をどうやってこえてきたか?」というテーマを振られると、福森は「今、壁にぶち当たっています」と答えていた。 イベント終了後にその真意を訊けば、リーグ屈指のレフティは次のように話した。 「川崎から札幌に移籍して、J2時代から毎年、ほぼフル稼働してきました。それが去年の夏頃からベンチに回ることが多くなったり、今年で言えば、2試合連続で(出場が)0分というのがあったりして。徐々に自分の状況が変わってきていたんです」 試合に出なければいけない、ピッチに立って、結果を残すのが当たり前――ずっと自分に言い聞かせてきたことが、できなくなりつつあった。「それがまさに、壁なのかなと思います」と福森は静かに語る。 「まだ31歳なので、試合に出なければいけない年齢ですし、この壁をしっかりこえるために、いろんな試行錯誤をして、いろんな考えを持っているのが今です」 プロになり、一番にこだわってきたのが「試合に出ること」だ。横浜FCでは、札幌時代に共闘した四方田修平監督が指揮を執るが、レギュラーが確約されているわけではない。それでも変わらぬスタンスで、サッカーと向き合うはずだ。 川崎では中村憲剛、大久保嘉人や稲本潤一、札幌では小野伸二がチームメイトだった。「いろんなトップの選手とプレーできて、本当に自分は恵まれていますよね」と噛みしめる。そして横浜FCには、桐光学園高の先輩で、同じレフティで、福森が尊敬してやまない中村俊輔がコーチとしている。 信頼を寄せる指揮官と憧れの存在のもとで、福森が新たなキャリアを刻む。 取材・文●広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)