ボルボが新型「XC90」発表 内装の質感アップ、高効率ハイブリッド採用 EV戦略は見直し
燃費性能、乗り心地、静粛性を向上
改良型XC90の最上位グレードとして設定されているのが「T8」だ。最高出力310psの2.0L 4気筒ターボガソリンエンジンと最高出力145psの永久磁石同期電気モーターを組み合わせたPHEVモデルで、14.7kWhのバッテリーを搭載し、電気のみの航続距離は最長70kmとされる。バッテリーはAC充電器により約3時間でフル充電できる。 一方、MHEVモデルは2.0L 4気筒ターボガソリンエンジンにISG(統合スタータージェネレーター)を組み合せたもので、エントリーグレードの「B5」は最高出力250ps、「B6」はeスーパーチャージャーにより最高出力300psを発生する。 ボルボによると、MHEVではエンジンにミラーサイクル技術を採用し、燃費向上を図ったという。欧州WLTPテストによるB5の公称燃費は14.1km/l、B6は13.4km/lである。 XC90では遮音材を追加して静粛性を高めたほか、標準装備のサスペンションを見直し、フロントにダブルウィッシュボーン、リアにインテグラルリンク、周波数選択式ダンピング・システムを採用した。 ボルボは、この新しいレイアウトにより乗り心地が向上し、安定性も増したとしている。電子制御エアサスペンションも引き続きオプションとして用意され、1秒間に500回路面をスキャンできる。
環境に配慮した高品質のインテリアへ
エクステリアデザインは、EVのEX90に近いものへと変更された。新しいフロントグリル、「トールハンマー」型のヘッドライト、新しいアルミホイール(20~22インチ)、リアライトなどが特徴だ。 インテリアもまた、EX90にインスパイアされ、水平基調の新しいデザインを採用。「責任を持って生産された」というノルディコ(Nordico)素材とヘリンボーン織りのシートなど、より質感の高い仕上りとなった。 センターコンソールが改良され、「2+1」カップホルダー(スリムなドリンク缶を追加できるスペースがある)と新しいワイヤレスのスマートフォン充電器が装備されている。 インテリアの最大の変更点は、タッチスクリーンが9インチから11.2インチに大画面化したことだ。解像度が高く、EX90と同じグーグルベースのソフトウェアを使用しているため、無線アップデートが可能だ。 また、オペレーティング・システム(OS)を一新し、主要な機能にアクセスするために必要な操作数が減ったという。 乗車定員は引き続き、5人乗り、6人乗り、7人乗りの3パターンを用意する。 トランク容量は5人乗りのMHEVモデルで680L、PHEVモデルで640L。7人乗りでは、それぞれ302Lと262Lとなる。
ジェームス・アトウッド(執筆) 林汰久也(翻訳)