<街ぶら>市民の命を守る消防隊員の横顔 奈良県・生駒市消防署
<街ぶら>市民の命を守る消防隊員の横顔 奈良県・生駒市消防署
2020年新年最初のまちぶらコーナーは、奈良県生駒市の生駒市消防本部・消防署を訪ねた。市民の命と財産を守る消防職員たちの訓練のほか、車や装備、力の源である「消防メシ」を作る様子ものぞいてみた。 【ノーカット】生駒市消防署・訓練に励む隊員たち ロッカーにも色々工夫が?
元芸人の救助隊員、きびきびした動きで壁のぼる
火災や救急、事故の際に真っ先に現場に駆けつける同署の出動隊は火事を消す「消防隊員」、逃げ遅れた人や事故にあった人を助ける「救助隊員」、そして怪我をした人や、急病にかかった人を病院に運ぶ「救急隊員」の3隊となっている。
今回、同署を訪ねると、敷地内の訓練場で特別救助隊員らが訓練を行っていた。7メートルの高さをロープで登り降りしていたが、その速さに驚く。きびきびとした動きをみせていたのは、同署特別救助隊の米田翔一さん(33)。 米田さんは以前、吉本興業のお笑い芸人として活動後に30歳を前に同消防署への転職を果たした異色の経歴を持っている。昨年12月にはTHE PAGEで「『ハカ』で防火を呼び掛けるユニークな救助隊員」と紹介したが、この訓練ではすばやい動きで自身の動きに磨きをかけていた。
新人消防士「救助隊員」目指し、日々訓練の積み重ね
一方、同じ訓練場ではもう一人、ロープを手に掛け声をあげながら壁をのぼっていく消防隊員がいた。同署消防士の樋口宏一郎さん(23)は、まだ消防学校を出て2か月という新人。この日は自分の腕だけの力でロープを使って7メートルの壁をのぼるという訓練を行っていた。 必死の掛け声とともにふんばり、なんとか登り切った樋口さん。日が暮れるまでのぼっておりての訓練を繰り返し、最後には腕と胸がパンパンになっていた。 だが樋口さんは「将来の夢は救助隊員になることですが、今のままでは物足りないので、先輩方に追いつけるよう、日々訓練を頑張っていきたいと思います」と力強く話していた。
消防車両車庫横のロッカー、各隊員の工夫も
同消防署の車庫に行くと、様々な装備品を積んだ消防車両やバイクが。その横には、隊員の防火着がかかったロッカーなどがある。ロッカーには防火着がかけられ、床にはそれぞれの隊員の靴などが並べられている。案内してくれた同署中隊長の辻本英彦さん(47)は「隊員によって並べ方は様々ですが、緊急時に少しでも早く出動できるよう各自工夫して並べています」と話す。