リメイクが繰り返される秀逸映画5選!
『スタア誕生』(1937年)をリメイク!『アリー/スター誕生』
時代を超えて物語が人々にアピールするのが、リメイク作品の条件。もうひとつ大切な要因があり、その物語を映画業界が“何度でも再生したくなる”こと。ハリウッドでこれを満たしたのが『スタア誕生』だ。タイトルが示すとおり、ショービジネスの世界で、新たなスターが生まれるドラマにラヴストーリーが劇的に絡むとあって、繰り返し映画になってきた。一番新しいバージョンが、レディー・ガガがアカデミー賞主演女優賞候補になった2018年の『アリー/スター誕生』。歌手を夢みるウェイトレスのアリーが、世界的人気ミュージシャンのジャクソンに才能を見出され、スターへの階段を駆け上がっていく。アリーとは反対に、ジャクソンには悲しい運命が待つ。スターの光と影を鮮やかに描いた感動作だ。 最初の映画が1937年の『スタア誕生』で、そのリメイクが1954年の同名作。これら2本は主人公の職業が俳優なので、ハリウッドの舞台裏もよくわかる作り。そして1976年の3度目の作品『スター誕生』で主人公が歌手に変更された。同作の主演はバーブラ・ストライサンド。最新作のレディー・ガガといい、演技力と歌唱力の両方が問われる、まさに“スター”のための作品である。
『用心棒』(1961年)をリメイク!『ラストマン・スタンディング』
世界中の映画作家にとって、最もリメイクへの食指が動く監督といえば、黒澤明かもしれない。日本国内でリメイクされるケースもあるが、『生きる』がイギリス映画『生きる LIVING』として再生されたのは記憶に新しい。現在はスパイク・リー監督で『天国と地獄』のリメイクが進んでいる。黒澤の代表作『七人の侍』がハリウッドの西部劇『荒野の七人』としてリメイクされたのは有名で、同じようにイタリアの巨匠、セルジオ・レオーネ監督が、黒澤の『用心棒』をマカロニ・ウエスタンの『荒野の用心棒』としてリメイク。同作は正式な許可をもらわずに作られたことも話題に。悪党が対立する町に、ふらりと現れた男が用心棒をやりたいと自らを売り込む物語は、たしかに国や時代を超えてリメイクしたくなる題材だ。 日本の時代劇をアメリカのギャング映画に変えた、本家公認のリメイクが『ラストマン・スタンディング』。監督は『ストリート・オブ・ファイヤー』などのウォルター・ヒル。1930年代を舞台に、アイルランド系とイタリア系のギャングが勢力争いをする町に、ジョン・スミスと名乗る男がやって来る。酒場で始まった抗争で、二丁拳銃の腕を見せつけた彼は、イタリア系の一味に力を貸すことに。ブルース・ウィリスが演じた孤高の用心棒=スミスの佇まいを、オリジナルの三船敏郎と比べながら楽しむのもオススメ!