こんなところ、あんなところにジェンダーが…ピンときてる? 日常生活に潜むモヤモヤ 違和感解消するためにはまず「対話」
男女間の価値観や意識の差から生じる「モヤモヤ」を題材に、ジェンダー平等を考えるセミナーが11月下旬、出水市中央公民館であった。参加した市民ら146人は講演やワークショップを通し、違和感を解消するための対話の大切さを確かめた。 【写真】ジェンダー問題の解決に向け、話し合いの重要性を説く清田隆之さん=11月24日、出水市中央公民館
セミナーでは「おしゃべりから始める 私たちのジェンダー入門」などの著書がある文筆家の清田隆之さん(44)が、「こんなところにジェンダーが!?」と題して講演した。 清田さんは、人気アニメの家族だんらんを描いた場面が、交流サイト(SNS)で話題となった事例を紹介。父親や夫は座って乾杯し、母親と妻は立って料理や飲み物を運んでいる画像を、男性ユーザーが、古き良き日本の家族像として投稿したことから物議を醸したという。 実際に女性から、同じような状況になることを理由に「お盆や正月に実家に帰るのが憂鬱(ゆううつ)だ」と相談を受けることも多いという。清田さんは、性別役割分業意識が根強く残っていると指摘。「違和感を抱いたり、何か嫌だなと思ったりしたら、遠慮なくしゃべった方がいい」と呼びかけた。 ワークショップでは参加者が5、6人のグループに分かれ、モヤモヤを感じた体験を語り合った。 市の男性職員(31)は、同僚の女性から「化粧せずに出勤すると、非常識だと思われる」との悩みを聞いた。「男性にはピンとこない価値観があることをあらためて実感した」と振り返った。
同市の60代女性は、家族で海水浴に行った際、上半身裸になるのをためらう小学生の孫に「男なんだから」と諭した経験を述懐。「知らぬ間に『男らしさ』を押し付けてしまい後悔した。性別を問わず、誰も傷つけない接し方を考えたい」と語った。 セミナーは、県男女共同参画室が、地域におけるジェンダー平等の推進を図ろうと企画した。出水市を皮切りに、今月は天城町でも開催。来年1月には、市町村長を対象にしたトップセミナーを鹿児島市で開く。
南日本新聞 | 鹿児島
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