誰よりもバスケを知っている男たち!『SLAM DUNK』名ガードたちが見せた「カッコ良すぎた駆け引き」
■試合終了間際、試合を決定づける超高度な駆け引き『仙道VS牧』
インターハイ県予選決勝リーグ「陵南VS海南」。この試合は、本来フォワードの仙道彰がポイントガードとして出場、スコアラーである福田吉兆をはじめ周りを生かしたプレイを見せる。そして、マッチアップすることになった牧紳一とも、互角以上の戦いを見せた。 試合終了10秒を切ったところで77-79で海南が2点リード、牧のボールを池上亮二がはじき、それを拾った仙道が速攻を仕掛ける。牧も素早く戻り仙道に追いつくも、そのまま仙道がダンクを決め、試合は同点延長戦へ突入した。 意表を突いた速攻でありながら、あっさりと牧に追いつかれた仙道。その意図は、ファウルをもらい、なおかつフリースローを獲得する3点プレイでの逆転だった。魚住純が退場し、チームの限界を感じていた仙道は、試合終了目前のラストプレイで試合を決めたかったのだ。 対する牧も、仙道に追いつく間(もっと言うとブロックでジャンプしている一瞬で)仙道の違和感に気づき、ファウルになるような強引なプレイはせず、あえて延長戦を選択。そして、地力で勝る海南が勝負を制し、インターハイ出場を一番乗りで決めることになった。 一見、どちらもらしくないプレイをしたかに見えた仙道と牧、その裏には試合を決める超高度なポイントガード同士の駆け引きがあった。 今回は『SLAM DUNK』名ガードたちが見せたカッコ良すぎた駆け引きを紹介してきた。 本作の名ガードたちは、ただスピードやテクニックを見せるだけでなく、試合中の相手選手の思考を読み、見事な駆け引きを繰り広げていた。ゆえに、どのプレイも試合描写を詳細に描く本作『SLAM DUNK』を象徴するような、名シーンとなっている。
海狸こう平