【広島】秋山翔吾 2025年の誓い…入団4年目で強まる思い「今のチームで優勝したい」
広島・秋山翔吾外野手(36)は今季日米通算15年目を迎える。2022年のシーズン中に広島でNPBに復帰し、はや4年目。今やすっかり赤ヘル軍団の顔のひとりとなった男が新年インタビューに応じ、来るシーズンへの胸中を激白した。 【写真】色紙に「今年の一文字」をしたためた広島・秋山翔吾 ――昨年までの3年契約が終了し、25年は新たに単年契約を結んだ。移籍当初に比べ、チームへの愛着、理解も相当に深まったのでは 秋山 それは間違いなくあります。早い段階からチームメートやファンの方々にも受け入れてもらいましたし、そこは本当に周りの皆さんに感謝するところです。だからこそ自分も他の選手とより連携して、今のチームをよくしたい。今のチームで優勝したいという気持ちを、より強く持つようになりましたね。 ――昨年は移籍後、初のゴールデン・グラブ賞を獲得し「1番・中堅」にも定着。パ・リーグ時代は首位打者や最多安打も獲得しただけに、25年は打撃でもタイトルが期待される 秋山 もちろん取れるのであれば、それは欲しいですよ。30歳や31歳で取った時より、この年齢で取れれば〝重み〟もまた違いますから。もちろん自分としても「1番・中堅」で常時、試合に出ることを考えはしますが、その一方で今のチームでの自分の立ち位置を考えた場合、自分の思いだけでは…というところでもあるわけです。単に経験豊富だからというだけで、ずっと1番で使ってもらえるような状況ではなくなっている気もしています。正直、簡単に「狙う」とは言えない部分がありますね。 ――単純に個人目標を掲げるより、現在のチーム状況を照らし合わせた上で目指さないといけないものがあると 秋山 僕の場合はやっぱり、チームの結果と自分の結果が両方リンクしないと、今のチームで1番打者としてずっと試合に出続けることはできないかな、と思っています。24年にそこに定着できたのは、9月までチームが首位という順位にいたから。最後の1か月で順位を落としましたが、優勝を目指せる位置にいた、ということです。そこは自分だけの物差しで〝勘違い〟はできない。もちろん「1番・中堅」は、自分にとっては試合に出るリズムを最も感じることができるポジションでもあります。昨年はそれを再確認できたので、また今年もそこを目指してスタートしなくては、と思っています。 ――プロである以上、競争は必然。その一方で、簡単に後輩選手に守備や打順の定位置を譲る気持ちもないと思うが 秋山 それは、もちろんです。だからこそ要は一軍の試合に先発で試合に出続けるだけの理由や、1番打者に入るだけの理由を、自分が首脳陣の方々に示さないといけないと考えています。 ――それはあらゆる側面で「秋山を使わない理由」を消すということ 秋山 その通りです。数字を含めて、走り方、守り方、試合に出るすべてで、首脳陣の方々が試合に出てない選手に「秋山を見ることが今、君たちが勉強するべきところ」というぐらいのレベルのプレーを僕も試合に出る以上は、常に見せていかないといけない。それを見せられないようだと、あっという間に僕の出番はなくなる。そういう危機感を持って25年は臨むつもりでいます。 ――今年でプロ15年目。目標でもあるプロ通算2000安打まで残り206本 秋山 残り何本かはもちろん把握しています。ただ、それも一本一本の積み重ね。今の自分の立場、年齢を考えたら、その一本一本でチームの勝利に結びつかせてこそ、本当に意味のある一本一本になると思っています。まずは首脳陣の方々が「やっぱり秋山を試合に出して、使って良かった」という試合を昨年以上に増やしていくこと。まずはそこに全力を注ぎたいと考えています。 【2025年は「広」】新たな1年を迎えるにあたり、秋山が色紙にしたためたのが「広」の1文字だ。 「チームのために自分がより『広い視野』で行動し、周囲の選手たちとより濃密に連携して、みんなが同じ方向を向いて戦える集団になる。そういった目に見えない戦うための熱量を、どんどん『拡大』させていけるような役目を自分も果たしていきたい。『広島』の地に優勝をもたらせる選手のひとりでありたい」 本拠地・広島の地名が意味のひとつに含まれることは言うまでもないが「視野」という表現に〝広い〟を加え「『拡大』の文字の中にも『広』が入っているでしょ!」。技術のみならず、プロで培った百戦錬磨の勝つための経験値を今後も若鯉たちにも伝授していくつもりだ。
赤坂高志