2025年日本株、トランプリスク乗り越え最高値更新も-ストラテジスト
金利
主要国の金融政策の違いは、為替および債券トレーダーに難題をもたらすだろう。多くの海外中央銀行が金融緩和を進める中、日銀は例外で、エコノミストの多くは25年に2回の追加利上げを予想している。
こうした点を踏まえて、多くのストラテジストは25年も金融セクターが有望とみる。TOPIX銀行業指数は24年に約47%上昇し、東証株価指数(TOPIX)の上昇(約18%)を上回るパフォーマンスを見せた。3メガバンクグループも日銀の利上げ効果や政策保有株の売却益により25年3月期の連結純利益予想を上方修正、3社合計で通期ベースの過去最高を更新する見込みだ。
一方、為替トレーダーは円に対し弱気に転じている。日銀が12月に政策金利を0.25%程度に据え置くことを賛成多数で決め、植田和男総裁が会見でハト派的な発言をしたため、市場では早期の追加利上げ観測が後退し、円安が加速した。また、米連邦準備制度理事会(FRB)が25年の利下げペース鈍化を示したことで、市場では円の先高観が後退している。
債券市場では長期金利が緩やかに上昇するとの見方が多い。一部には09年以来の高水準となる1.5%を目指すとの予想もある。
トランプ大統領
トランプ氏の再登板で関税引き上げや米中関係の悪化が懸念される中、米国の通商政策は日本企業にとって大きな逆風となるだろう。日本の対中貿易総額は23年時点で3347億ドルと国別の最大で、米国との貿易総額2309億8000万ドルが続く。
もっとも、米モルガン・スタンレーの分析によると、日本企業が北米で稼ぐ収益の半分以上は米国で生産された商品やサービスからのものだ。米新政権の政策で半導体や自動車セクターには不透明感があるものの、関税圧力に対して日本企業は耐性を見せる可能性がある。
--取材協力:横山桃花.
(c)2025 Bloomberg L.P.
Aya Wagatsuma