かど番霧島、厳しさなく早くも3敗目 「勝ったと思った」気持ちにすき
○大栄翔(押し出し)●霧島(夏場所4日目=15日) かど番の大関霧島があえいでいる。どうしても手にしたい白星を、この日もあと一歩のところで逃してしまった。 立ち合いから大栄翔を押し込み、いなし、相手を泳がせたが、ここで「勝ったと思った」と気持ちにすきが生じたことが響いた。土俵から飛び出しそうになった大栄翔は両足を俵に乗せて懸命に残し、体勢を立て直して勝負続行。その後、霧島は攻め手を欠き、あえなく押し出された。 早くも3敗目となり、花道では薄く苦笑いを浮かべた。「途中で(相手を)見ちゃった。そこが一番いけなかった」。厳しさが足りなかったことは本人がよく分かっている。 痛めていた首の影響か、今場所は相撲が軽い。師匠の音羽山親方(元横綱鶴竜)は「首を意識しすぎているのか。痛いのか。本人は『大丈夫』と言っているけど…。体も硬い」と指摘したうえで、「自分との闘い。土俵に上がれば誰も助けてくれない。もがきながら白星を拾っていくしかない」。この苦境を乗り越えることが、精神的に大きな経験になるとみる。 黒星ではあったが、唯一、光明があったとすれば、立ち合いで先手を取れたことか。霧島は「前に出たことは次につながるかな。明日、勝てば調子も上がってくると思う」と自分自身に言い聞かせるように語った。5日目の小結大の里戦は立ち合いで負けず、自信になる勝ち方ができるかが焦点だ。(宝田将志)