NH大河『光る君へ』ゆかりの名刹も! 全長13kmでもアレンジしやすい低山縦走「中山連山」レポ
■中山山頂から中山寺奥之院へ
中山山頂から西側の登山道に入ると、かなり歩きやすい道となり、道標も増える。つまり中山連山の中でも登山者が多いエリア。女性登山者が多く、人気のある山であることがよくわかる。しかし、登山に不慣れな人もちらほら見かけられ、挨拶しても無反応のときもあり、少し寂しい気持ちとなった。またこのエリアは勝手道が多いため、登山アプリを使うのが無難だ。 今回は中山寺奥之院を訪れる前に、黒八大神という磐座にも立ち寄った。ここは巨岩を神として祀る場所。もののけ姫の森のような雰囲気であった。訪れる際は滑りやすい急登となるため、注意が必要だ。 中山寺奥之院は、飛鳥時代に聖徳太子が創建した中山寺があった場所。平安時代、NHK大河ドラマ「光る君へ」にて、本郷奏多さん演じる花山法皇が滞在していたのも、今の中山寺ではなく、ここの中山寺奥之院だ。戦国時代に荒木村重の乱で焼失するまでは比叡山や高野山に匹敵するくらいの寺領があったらしい。 今でも歩いて参拝に来る人は多いが、中山寺奥之院はこぢんまりとして、静かな寺だ。気持ちのよい木陰のベンチもあり、座ると動きたくなくなるほど快適。ありがたいことに中山寺奥之院にはトイレもあるのだが、境内からは少し離れている。 中山寺 奥之院 住所:〒665-0861 兵庫県宝塚市中山寺 字山ノ内27-4
■中山寺奥之院から夫婦岩を経由して、中山寺へ
中山寺奥之院からは、中山寺奥之院参道を下る。中山寺の御詠歌は「野をもすぎ里をもゆきて中山の寺へ参るは後の世のため」だ。先述の花山法皇が詠まれた歌らしい。参道にある江戸時代の町石(ちょういし)を見ると、いろんな時代の人がこの道をたどりお参りしていた様子が浮かんでくるようだ。 参道を下ると夫婦岩という2つの巨岩が現れ、ここから左の脇道に入るとすぐに東屋が現れる。東屋はきれいな木造。とても居心地がよい。東屋の前からは大阪平野を見渡せるスポットとなっている。 夫婦岩から参道を下っても下山できるが、今回は東屋から足洗川(あしあらいがわ)渓谷沿いの登山道に合流するルートを選択した。合流地点は渓谷が眺められるルートより下なのだが、涼しいに違いないと思ったからだ。足洗川渓谷沿いまで来ると案の定、涼しかったのだが、誤算だったのは、東屋から足洗川渓谷合流地点までの間、メマトイが大量にいてうっとうしかったことである。メマトイとは顔の周りをしつこく飛び続けるコバエだ。メマトイは動物の涙をなめて養分を摂るらしい。 足洗川渓谷沿いを下っていくと、中山寺奥之院参道も合流する北中山公園に至る。 そして、北中山公園出口を左に足洗川渓谷まで下り、橋を渡ってさらに進む。すると中山寺墓地を経由して、日本初の観音霊場である中山寺の境内に到着する。かなり広い寺だが、しっかりお参りしておこう。 なお阪急中山観音駅は、中山寺の真向かいだ。 大本山 中山寺 住所:〒665-8588 兵庫県宝塚市中山寺2-11-1 阪急宝塚線中山観音駅 住所:〒665-0861 兵庫県宝塚市中山寺1-13