後輩にご馳走、暇潰しのパチンコで散財…募る後悔 Jリーガーが遂げた異色の転身【インタビュー】
舩津徹也氏、現役時代の後悔「あの時に知っていたかったな」
異例のセカンドキャリアを歩んでいる元Jリーガーがいる。カターレ富山やセレッソ大阪、モンテディオ山形、ザスパクサツ群馬を渡り歩き、FC岐阜に在籍していた2022年シーズンをもって現役を引退した舩津徹也氏は現在、保険の代理店に勤めつつ、資産形成コンサルタントとしても働いている。なぜサッカーとは全く関係のない道を歩むことになったのか。自身のキャリアやサッカー界のお金事情などを語ってくれた。(取材・文=福谷佑介) 【写真】「ギャンブルをした」 神様ジーコのスロット挑戦姿「まさかレジェンドが」 ◇ ◇ ◇ 2009年にカターレ富山でプロ生活をスタートさせた舩津氏。2022年に14年間の現役生活に幕を下ろし、それから2年ほどが経過した。都内某所に現れた舩津氏の表情は生き生きとしていた。「今は保険の代理店に勤めつつ、資産形成のコンサルティング会社にも在籍させていただいていて、資産形成のお手伝いをさせてもらっています」。サッカー界に限らず、幅広く人々に資産形成の助言を送っている。 異色のキャリアを歩むことになったキッカケは現役晩年にある。引退が頭をよぎるようになり、おぼろげながら“その後”を考えるようになった。「現役を終えたあとに稼ぐのは難しいというイメージがありました。富山時代の先輩に保険の代理店を経営している方がいて、その方に色々とお話を聞かせてもらっていました。自分もそうですし、周りもそうでしたけど、サッカー選手って金融リテラシーがない人が多い。それって良くない、その状況を変えたいな、と思ったんです」。その先輩からの誘いもあり、サッカー界とは無縁の、金融の世界に飛び込んだ。 舩津氏自身も現役時代に苦い経験をした1人だった。25歳頃、勧められるがまま積み立て式の、とある保険に加入した。5年ほど経ち「その商品があまり良くないって聞いたので」と解約。満期前だったため、100万円ほどの損失を被ることになった。当時は金融に関する知識はほぼなかった。Jリーガーは長期間、安定した収入が保証されているわけではなく、保険料を払うのが苦しくなることもある。自分だけでなく、そういった選手を何人も周囲で見てきた。 将来のことも深く考えず、後輩に食事をご馳走したり、車を現金一括で購入したり、パチンコに行ったり……。手持ちの資金に余裕があれば、散財していた。「今、知っているようなことをあの頃からやっていれば、だいぶ余裕ができていたと思うんです。あの時に知っていたかったな、って思います」。自身がした後悔を、後輩や他の人たちにはしてほしくない――。そんな思いで、今の仕事に就いている。