乃木坂46 冨里奈央、初のアンダーセンターは未来への布石? 中西アルノ、奥田いろは……5期生に受け継がれるバトン
乃木坂46が2024年12月11日に37thシングル『歩道橋』をリリースする。表題曲センターは遠藤さくらに決まり、アンダーセンターには初となる5期生の冨里奈央が抜擢された。 【写真】13人全員が主役となって紡ぐ乃木坂46という物語の続き 過去最大規模のアンダーライブ アンダーはこの1年で大きく状況が変わってきた。というのも、2023年には1期生、2期生が全員卒業し、同時にグループの中心を3期生~5期生が担うことになった。32ndシングル『人は夢を二度見る』からは5期生もアンダー楽曲に参加し、『32ndSGアンダーライブ』からはアンダーライブに参加。グループ全体を見ても、33rdシングル『おひとりさま天国』のセンターには5期生から井上和がセンターに抜擢されるなど、5期生がグループの活動の中心となり、世代交代が加速した1年だった。 34thシングル『Monopoly』のアンダー曲「思い出が止まらなくなる」では中西アルノが初のアンダーセンターに抜擢。中西は29thシングル『Actually…』で表題曲センターを経験しているが、センターとして活動するのは34thシングルの期間が初めてとも言えるだろう。中西が座長として挑んだ『34thSGアンダーライブ』は筆者も現地で見ていたが、期の垣根を超えたパフォーマンスを作り上げ、特に中西を中心としたドラムパフォーマンスという新たな試みは目を見張るものがあった。 続く35thシングル『チャンスは平等』のアンダー曲「車道側」では4期生の筒井あやめがセンターを務めたが、36thシングル『チートデイ』のアンダー曲「落とし物」では奥田いろはがセンターに抜擢。中でも奥田は、この1年だけで見ても、今年5月より新国立劇場中劇場で上演されたミュージカル『ロミオ&ジュリエット』ではかつて生田絵梨花が乃木坂46在籍時代に演じていたジュリエット役を務め、公式YouTubeチャンネル『乃木坂配信中』では「いろはの路上ライブ」と題したストリートライブで歌声の魅力を届けるなど、精力的な活動をしてきただけに、満を持しての抜擢と言える。 10月より開催された『36thSGアンダーライブ』は、奥田にとって初めて座長として臨む公演となり、福岡を皮切りに愛知、大阪、北海道、神奈川の5都市で行われた。KT Zepp Yokohamaでのファイナル公演では、奥田が歌い継いできた「日常」の気概溢れるパフォーマンスにも目を奪われたが、「今回座長として(ツアーを)まわらせていただくことになり、こんなに貴重な機会ってないから、全身全霊で後悔がないようにと臨みました。こうして千秋楽を迎え、私は胸を張って言えます。頑張りました。何も後悔はありません」という力強い宣言には、奥田の覚悟が滲んでいた。また、「私はこの3年間、アンダーメンバーとして活動してきました。当初は自分に自信を持てなくて、どう頑張ったらいいのか悩んだ時期もありました。そんなときに自分に与えられたのがアンダーライブという場所でした」という言葉からは、アンダーという場所が奥田に与えた影響の大きさを改めて感じさせられた。必ずしも選抜だけが、乃木坂46ではない。選抜とアンダーの比較で語られることが多いが、選抜には選抜の、アンダーにはアンダーの役割がある。