DF青谷舜(左)が相手をブロック。桐光学園高は2試合連続無失点に(Taro YOSHIDA)

[5.11 プリンスリーグ関東2部第6節 西武台高 0-0 桐光学園高 西武台高第2G] 【写真】「マジで美人」「可愛すぎてカード出る」現地観戦した女子アナに称賛集まる 　次に繋がるドローだ。11日、高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ 2024 関東2部で西武台高(埼玉)と桐光学園高(神奈川)が対戦し。0-0で引き分けた。 　1年時にROOKIE LEAGUE関東Aリーグで初優勝している世代が3年生になった西武台と、昨年のインターハイ準優勝メンバーを複数残す桐光学園。ともにポテンシャルを秘めた両校だが、まだまだ噛み合わない部分があり、西武台は1勝4敗の8位、桐光学園も1勝2分2敗の7位と思うようなスタートを切ることができていない。 　インターハイ予選による中断を前に、悪い流れを止めたい両校。立ち上がりは、桐光学園が体調不良でU-17日本高校選抜CB谷口輝(3年)欠場の西武台を押し込む。勢いのある攻守からFK、CK、ロングスローで西武台にプレッシャーをかけるが、先制点を奪い切ることができない。 　一方の西武台は、守屋保監督が「これまではなかなか矢印が前に向いていませんでした。でも、今日は(横への意識がやや強かったこれまでに比べると、)『前に行くぞ』という気持ちが出ていました」というように、攻守両面で健闘したMF杉山幸一郎(2年)とMF宇野大稀(3年)の両ボランチが、セカンドボールを拾うと、相手3バックの脇を狙った配球で前へ。9分には、杉山の右クロスをMF鈴木洸晴(3年)が頭で合わせ、12分にも右サイドでキレのある動きを見せるMF藤木浩人(3年)がマイナスのラストパスを通す。 　これをFW遠藤秀悟(3年)が右足ダイレクトで合わせたが、シュートは桐光学園GK大村明裕(3年)がセーブする。この後、桐光学園の10番MF吉田晃大(3年)と西武台の10番FW遠藤が相次いで負傷交代するアクシデント。ともに攻撃のキーマンを欠く中での戦いとなった。 　西武台のエースFW竹内奏海(3年)は「(谷口、遠藤の)2人が一番声かけてくれたり、引っ張ってくれてたりしたので、 その2人がいない中でも自分たちでやろうとやっていました」と説明する。切り替えて戦う西武台はMF鈴木洸が高速ドリブルで前進したほか、33分には交代出場FW緑川梗雅(3年)のラストパスでFW竹内がPAへ侵入。DFをかわして右足シュートを狙うが、桐光学園DF青谷舜(3年)が身体を投げ出してブロックする。 　桐光学園は勝たなければならないという力みからか、慌てて攻めてロストするなどなかなかクオリティが上がらない。それでも、クレバーなDF増田遥希(3年)を中心に、U-17日本高校選抜候補DF杉野太一主将(3年)、高さで違いを見せる青谷の3バックやGK大村の守りが安定していた。 　個の力でドリブル、ラストパスを止めていた杉野は「『ゼロ』は最低の目標もありますし、最高の目標でもあります。後ろは全員こだわって、『ゼロ』ってところでゴール前で身体を張るようにしています」。後半立ち上がりは連続でセットプレーを与え、西武台の緑川に決定的なシュートを打たれるシーンもあったが、DF陣が最後まで緩めずに寄せていたこともあって得点させなかった。 　桐光学園はエースFW丸茂晴翔(3年)が後半に存在感。力強い動きで相手DFと入れ替わってゴールへ迫る丸茂や、巧みに相手の逆を取るMF倉持慶太(2年)を中心に押し返す。後半14分、杉野のサイドチェンジから交代出場MF山田留偉(2年)を経由して左WB陶山響(2年)がDFライン背後へ抜け出す。そして、ゴール方向へのドリブルから決定的な左足シュート。だが、西武台の187cmGK松田聖也(3年)が左手で止める。桐光学園は22分にも丸茂が抜け出しから右足で狙うが、再び西武台GK松田が阻止した。 　終盤、桐光学園はセットプレーの本数を増やし、ゴール前のシーンを増加。だが、西武台は187cmCB田中恒太(3年)やCB福田功明(3年)を中心に踏ん張る。45+5分には左FKのクリアボールを桐光学園MF湯藤翔太(3年)がミドルレンジから右足シュート。枠左上を捉えた一撃をGK松田が左足ではじき出す。最後までスコアは動かずに0-0で試合終了。勝ち点1を分け合った。 　桐光学園の鈴木勝大監督は「2試合連続で失点していない」ことを評価。思うような戦いではなかったものの、桐光学園がこだわる失点ゼロで90分間を終えた。3週間後にインターハイ予選がスタート。指揮官は「もうちょっと高く、プレッシャーをかけたい」。プレッシングの継続や前の選手を追い越す走力、強度で圧倒できるように。また精度も高めて、昨夏全国2位の強豪校は、一発勝負の戦いに臨む。 　一方、西武台は今季、グラウンダーでボールを動かして攻撃することにチャレンジしてきたが、なかなかリズムを変えられず、ミスから失点するなど4連敗。守屋監督の助言もあって前への意識を強めた試合で今後の飛躍への兆しを示した。指揮を執る関根雄太コーチはここからインターハイへ向け「個人個人の走力と切り替え」をテーマにインターハイ予選へ向かう考え。この日チャンスに繋がったサイドからの崩しの質もより極めて激戦区突破に挑戦する。