JIGDRESSツアー「Don’t believe the hype」 対バン4人が集結「観て判断してとかじゃなくて、絶対にいいから来て」
――山崎さんは自分ではどんなアルバムになったと思いますか? 山崎 初めて、だいぶお気に入りの音源ができたかなって感じがします。今回は録りの一音とかにもわりとこだわったりして。1曲目の「taog」なんて、ベースの音を作るのにトータル50時間くらいかけてるんですよ。でもそれってすごくずっとやりたかったことで。だからできてめっちゃ嬉しいし、あとさっきの話に戻るけど、求められてるものじゃなくて「これ作りたかったんだ」っていうのが本当にできたから。ちょっと前の自分を否定するのもアレだけど、本当に「聴けよ」って思えるアルバムができたのはデカいし、マジで嬉しい。 ――過去の曲の再録もいっぱい入ってますけど、その作業はどうでしたか? 山崎 めっちゃ難しかったです。もう二度とやらない(笑)。もうイメージでき上がってるし、別の曲にしていかないといけないけど、そのためによさを殺してっていうのはちょっとエゴすぎるなっていうのもあって。 北 でも前の音より好きでした。 山崎 マジで? 超嬉しい。ルサンチマンも「荻窪」とかは録り直してるよね? あれも今の方がいい。 北 そう思います。「前の方がよかった」みたいないろいろ言ってくるじゃないですか。めちゃくちゃムカつくんすよね(笑)。そんなわけねえだろって。聴く人のなかでは補正がかかっていたりするのかもしれないけど、「今のほうがうまいに決まってんだろ」って思います。 ――山崎さんはJIGDRESSを始めて以降、その思い出補正とめちゃくちゃ戦ってきたと思うんですよ。 山崎 はい、そうっすね(笑)。12月のサーキットが決定的だったんですよ。それでそれまで作ってた新曲は捨てたんです。あの日に思ったのが、「誰かが喜ぶためのことしてんじゃん、俺、ここにいる全員に対して、全くもって不誠実じゃん」っていう。なんかキショイなって感じたんですよね。 ――これまでお互いに対バンをしてきて、何か印象に残っていることはありますか? 山崎 二口くんはこないだ大阪で弦を切ったときあったじゃん。 二口 はいはい。 山崎 で、中の状況は焦ってるけど、演奏はすべてが上手く噛み合ってて、なんなら弦切ってよかったんじゃね?っていうくらいで。前のアンと私だったらそうはならなかったと思う。本当に結構進化しまくってるなって思った。 二口 僕たち、JIGDRESSと対バンしたら毎回誰かしらが弦切るんですよ(笑)。弦切るエピソードがすごいあって、それこそ12月にやったときも弦切ったし。そのときのライブが最悪で。俺、誰かが弦切ったら「もう終わった」って顔に出ちゃう感じだったんですよ。で、弾き語りで一緒になったときか何かに「そういうときってどうします?」って(山崎に)相談したら「俺はラッキーだと思う」って。「だって弾き語りできるから」みたいなことを言われて、怒ってた俺はちっちゃいやつだなって思って(笑)。そこから、メンバーの誰かが弦を切っても怒るのはやめましたね。まだ誰も切ってないですけど、次切れたら、ちょっと弾き語りやろうかなって思ってるんですけど。 山崎 不意に言ったことって結構影響を及ぼすんだね。まあ、俺も何回も弦切ってるけどね。 ――JIGDRESSと対バンするたびに弦が切れるっておもしろいですね。 二口 だから今回もたぶんあるんだろうなって。 山崎 3セットは持ってきたほうがいいかも。