「地球の歩き方」北京編5年ぶり改訂 ビザ免除再開、安全面の注意も
海外ガイド本「地球の歩き方」は今月、中国大陸のシリーズとしては5年ぶりに「北京編」を改訂した。日本で人気の「ガチ中華」や、「安全」にスポットを当てている。中国が日本人向けの短期ビザ免除措置を30日に再開させるタイミングに重なり、編集室は「今の中国を知ることができる本として手にとってもらえるとうれしい」と話す。 【写真】「地球の歩き方」が紹介する北京で味わう「ガチ中華」 14日に改訂された「地球の歩き方・北京編」では、北京市内でも本格的な中国各地の料理を食べられるとして、地方政府の出先事務所が関係する飲食店を紹介する「駐京弁(北京駐在事務所)レストランで各地の味を体験!」というコーナーを新たに設けた。 日本でも激辛で知られる中国内陸部・四川省のなかでも、まぜそば「宜賓燃面」などで知られる宜賓市のレストランや、雲南省のきのこ料理などを掲載。他にも中国北部・黒竜江省の冷麺や中国南部のリゾート地・海南島のココナツ火鍋など、北京で味わえる各地の料理を6ページにわたって紹介している。 編集室の斉藤麻理さんは「コロナ下の日本で本場の『ガチ中華』がブームになったので企画した。日本では食べられない、地方の『ガチ中華』を味わえるのが首都・北京の魅力」という。 日本政府観光局(JNTO)のまとめでは、19年に中国を訪れた日本人は約267万人で、米国、韓国に次いで多かった。しかし、コロナを経て訪中する日本人は大きく減少。国営新華社通信によると、今年1~8月に訪中した日本人は約68万人にとどまっている。 改訂版では、中国での急速なデジタル化に対応して、モバイル決済やSNSを使った観光施設の予約方法などを細かく紹介。また、日本人が被害に遭う事件や拘束事案が相次いでいることを念頭に、軍事施設を撮影しない、といった気をつけなければいけない行動を見開きで列挙している。(北京=小早川遥平)
朝日新聞社