’21年９月、妻の葬式で報道陣の取材に応えていた丸山被告（画像：共同通信社）

現職の政治家が、妻を殺害したとして起訴――。 衝撃的な事件の公判前整理手続きが終わり、10月16日から裁判員裁判が始まる。殺人の罪に問われているのは、元長野県議会議員の丸山大輔被告（50）だ。 【衝撃画像】〈仲の良い夫婦は気持ち悪いな〉…現職議員が自宅で妻を殺害か「戦慄の素顔」写真 「事件が起きたのは’21年９月です。丸山被告は長野県塩尻市の自宅兼酒蔵で、妻のＡさん（当時47）の首を圧迫し殺害したとされます。丸山被告は一貫して無罪を主張。逮捕される前から『当日は議員会館にいた』とアリバイがあると訴えているんです」（全国紙司法担当記者） 『ＦＲＩＤＡＹデジタル』は、丸山被告が逮捕された直後の’22年11月30日配信の記事でこの謎多き事件について詳しく報じている。再録し、逮捕まで１年以上を要したトラブルの全貌と丸山被告の不可解な言い分を振り返りたい（内容は一部修正しています）ーー。 ◆１階金庫近くで…… 現職の議員が、妻を殺害したとして捕まった。 ’22年11月28日、長野県警が殺人の疑いで逮捕したのが同県議会議員だった丸山被告だ。丸山被告は県議会総務企画警察委員長を務め、当時２期目。明治時代から続く老舗酒蔵『笑亀酒造』（同県塩尻市）の経営者でもあった。 「事件が発覚したのは、’21年９月29日朝６時半過ぎです。丸山被告の妻Ａさんが、酒蔵に隣接する自宅兼事務所の１階の金庫近くであおむけに倒れていました。息子が発見し警察に110番通報。すぐに死亡が確認されました。司法解剖の結果、死因は首を絞められたことによる窒息と判明しています」（全国紙社会部記者） 県警は殺人事件として塩尻署に捜査本部を設置。140人態勢で捜査を始め、情報提供を呼びかけていた。 「物証が少なく、捜査は難航しました。周辺の聞き込みや防犯カメラの映像解析などから、少しずつ捜査対象を絞り込み、事件から１年以上がたってようやく丸山被告の逮捕にいたったのです。丸山被告は当時から犯行を否認していました」（同前） ◆「母ちゃんがヤバい」 逮捕直前の’22年９月、丸山被告は集まった報道各社に対応していた。事件を知ったキッカケは〈（当日の）朝７時頃に息子から「母ちゃんがヤバい」という電話〉があったことと説明。犯人が捕まらないことに対しては〈処罰というより何があったのかを知りたい〉とコメントし、夫婦仲については〈何十年も仲の良い夫婦は気持ち悪いなっていうのもある〉と話していた。 「自身のアリバイについては、こう説明しています。〈（当日は）県議会に出席するため、長野市内の議員会館に泊まっていた〉と。確かに丸山被告は事件前日の９月28日の夜、同僚議員らと飲酒し、夜11時半ごろまでは議員会館にいたことが確認されています。 しかし、車の走行データやドライブレコーダーなどから、丸山被告は約80km離れた塩尻市の自宅まで２時間以上かけて移動していることがわかった。警察は29日の未明に妻を殺害した後、再び議員会館へ戻ったとみていました」（同前） 犯行現場の金庫周辺には、土足で室内に入った痕が残っていた。強盗の侵入を装ったとされる。犯行動機については、詳しいことはわかっていない。 「丸山被告が社長を務めていた『笑亀酒造』の経営状況がかんばしくなかったのは確かなようです。警察は夫婦になんらかのトラブルがあったとみて、捜査を進めていました」（同前） 冒頭で紹介した裁判員裁判で、丸山被告はあらためて無罪を主張すると思われる。判決は12月23日に下される予定だ。