マイナ保険証“本格運用”まで4か月切る「いずれ致命的なトラブルが起きるのでは」 現役開業医が不安を吐露
噴出する問題に、厚労省の対応は?
なお、オンライン資格確認の情報更新の遅さについては、厚労省も承知しているようだ。 同省担当者は「6月21日に行われた社会保障審議会(医療保険部会)では、データ登録の迅速化のために事務フローの点検を行い、その結果に基づく改善計画の策定をした上で必要な取り組みを行うよう、各医療保険者へ求める対応策が示されました。その上で、早期改善されるよう、フォローアップの調査を実施することとしています」と説明する。 またオンライン資格確認でトラブルが発生した場合、医療機関からコールセンターへ電話がつながりづらいことについては「一番重要なのは、患者が健康保険の資格を有しているかということ。なんらかのトラブルによって資格確認ができない場合は、昨年7月に発出した通知に従い、患者のスマートフォンに入っているマイナポータルの資格情報画面や、被保険者資格申立書の記入などによって対応してもらえれば」とのことだった。 12月2日に健康保険証の新規発行が停止されることで、マイナ保険証の利用は急速に拡大すると考えられる。前出のA医師は現役開業医としての立場から、医療機関での混乱を念頭にアドバイスする。 「12月より前に一度でも受診した医療機関ではカルテが作成されて、保険証の情報も登録されます。万が一マイナ保険証が使用不可能な状態になっても、その医療機関に登録済みの情報を活用できる可能性がありますし、職員と患者さんが顔を知っている関係ができていれば、便宜を図ってもらえる余地があります。 もし、病気による明らかな症状がない場合は、健康診断で要注意(たとえば軽度貧血、軽度肥満など)と指摘された結果について、相談を目的にした受診は受け付け可能です。そういった異常もない場合は、自費診療になりますがインフルエンザワクチン接種などでクリニックを受診すれば、保険証の提示をしてカルテを作成してもらうことができます」 主体的にできる備えをしつつ、自分の身に何か起きたとしても、迅速に医療が受けられるよう、祈るばかりだ。
弁護士JP編集部